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» 2021年12月22日 08時30分 公開

LDHのファンアプリはなぜ、海外ユーザーを5倍に伸ばしたか サイバーエージェント専務が手掛ける「エンタメDX」きっかけは町田啓太さんの“リクエスト”(3/3 ページ)

[房野麻子,ITmedia]
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スマホネイティブなファンが情報を拡散していく

 BTSに関する情報は、「ARMY」と呼ばれるファンたちによって世界中に広められている。山内氏は「BTS自身がファンに直接的に働きかけている」といい、ファンコミュニティーアプリは「スマホネイティブなZ世代のファンを持つアーティストと親和性が高い」と指摘する。

 「アーティストが発表する情報は、以前は新曲やプロモーションなど業務的な内容でしたが、ファンコミュニティーアプリでは『今○○食べてる』『△△している』といった身近なことがファンに届く。そのたびに、ファンが話題として広げていくことが大きなポイントです」(山内氏)

 ファンが情報を拡散し、新たなファンを生み出す構造になっており、CLもWeverseを参考にしながらファンを広げる機能を充実させていくという。前述の通りリアルタイム翻訳機能を追加済みだが、日本で利用できる機能を海外ユーザー向けアプリにもできるだけ対応させ、ファン同士のコミュニケーションをサポートする機能も今後搭載していくという。

 なお、サイバーエージェントは広告代理店としても非常に高いシェアを持っており、SNSの運用やABEMAを中心に番組を話題化させるマーケティングも行っている。YouTubeで「急上昇」に載るアルゴリズムも把握しており、それらとアプリの連携を強化していく考えだ。

 ただ、実は日本のアーティストは宣伝用の素材が非常に少ないという。

 「例えば、新曲が出るとき、写真や動画素材があまりないんです。先日調べてもらったアーティストは、4素材くらいでした。一方、BTSが『Dynamite』を出したときには100以上の素材が出ています。それがSNSを通じてシェアされ、どんどん広がっていく。そういうところに、まず僕らとしても取り組みたい」(山内氏)

スポーツや芸術などのDX化、NFTにも取り組む

 エンタメのDX化は当面、CyberLDHで進めていくが、他のジャンルもDX化していきたいと山内氏は意気込んでいる。エンタメ関連事業を行っている100%グループ会社OEN(オーイーエヌ)に、同じくグループ会社のCyberArrowを統合し、音楽、スポーツ、格闘技、演劇など総合的にエンターテイメントのDX化を支援するという。

 「サイバーエージェントではプロレスの動画配信サイト『WRESTLE UNIVERSE』も提供しています。プロレスもリアルの興行ができず、エンタメ業界と全く同じような状況になっていて、無観客の動画配信をやるような感じになっているんです。WRESTLE UNIVERSEの裏側を一部OENのシステムが支えています。エンタメでもアーティストもあればプロレスや格闘技といったスポーツ、さらにはアニメもあって、そういったところを少しずつ後押しできるといいなと思っています」(山内氏)

 また、同じくグループ会社のCyberZとOENは、6月にNFT(Non Fungible Token、非代替性トークン)事業の参入も発表した。香取慎吾さんによるパラスポーツ支援チャリティ企画『香取慎吾NFTアートチャリティプロジェクト』で「LINE BITMAX Wallet」にてNFTの付与を行ったほか、ももいろクローバーZのメモリアルNFTトレカ2288パックの限定販売も行った。

 NFTはやり方を間違うと炎上したり、デブランニングに繋がる可能性もあるが、「価値を感じてもらいやすい形で、ぜひやりたい」と山内氏は話す。

 「アーティスト以外にも、アニメのIP、もしかしたら日本の芸術家も支援できるかもしれない。海外にも浸透しやすい分野なので、海外にもファンを広げたいと考えている人に面白いものが提供できるといいなと考えています」(山内氏)

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