「204円」弁当に「1080円」おにぎり! ハイレベルすぎるスーパー弁当の知られざる“進化”長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)

» 2021年12月23日 09時30分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

 コロナ禍が収束せず、自宅で過ごす時間が長い生活が続く。毎日3食、家でごはんを手作りするのは厳しいと思う人も増えている。そうした時に、スーパーの弁当が頼りにされている。

 価格が安いので、コロナ禍の影響で生活に余裕がなくなった人にも支持されている。全般にコンビニよりは100円ほど安い。「ロヂャース」の204円弁当や、「ラ・ムー」の198円弁当といったように、ディスカウントスーパーでは200円前後の超安価な商品も存在する。

2.5キロ以上ある「爆弾おにぎり」(1080円)

 日本チェーンストア協会が発表した、2021年10月度の販売統計(月報)によれば、総菜部門の既存店売上高は前年同月比108.6%となっており、依然好調だ。9月度も同111.1%で、デルタ株が収束してからも、スーパーの弁当や総菜が売れている。

 スーパーの弁当や総菜のレベルアップが目覚ましいのも、好調の要因として挙げられる。

 「お弁当・お惣菜大賞」という、全国スーパーマーケット協会が主導する表彰制度も設けられている。弁当部門をはじめ、総菜、丼、麺、スイーツなどの部門賞が毎年発表されている。12年に始まり、21年の応募総数は4万2549件に上った。特に各部門で1商品が選出される最優秀賞を、受賞するのは大変な栄誉だ。

ロヂャース、204円の「チキンカツ弁当」と106円の「スパゲッティナポリタン」

 そうした中で、受賞歴を重ねる優秀なスーパーがある。埼玉県を本拠に関東に店舗が広がる「マミーマート」、神奈川県逗子市を拠点とする「スズキヤ」、関西の高級スーパー「いかりスーパー」、福岡県と長崎県に店舗がある「ダイキョーバリュー」などだ。これらのチェーンには、グルメ弁当を続々と生み出す独特な仕組みがある。

 一方で、時折開催される駅弁大会を除いて、1000円を超える弁当は、高級スーパーでも成立しづらいようだ。しかし、デカ盛りによって実現させるケースもある。

 埼玉県に4店ある「スーパーマルサン」の名物「爆弾おにぎり」や、関東から関西にも進出した「ロピア」の「ローストビーフパエリア」「照り焼きのレタスチャーハン」などが挙げられる。これらの“ドカ盛りメニュー”は、いずれも1000円くらいする。しかし、4〜5人分以上の量があるので、家族などで分ければ、1人当たりの食費では激安となるのだ。

ロピアの4、5人前はありそうな、巨大ローストビーフパエリア
ロピアの4、5人前はありそうな、照り焼きのレタスチャーハン

 では、スーパーの弁当は実際、どのような進化を遂げているのか。具体的に見ていこう。

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