「204円」弁当に「1080円」おにぎり! ハイレベルすぎるスーパー弁当の知られざる“進化”長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/5 ページ)

» 2021年12月23日 09時30分 公開
[長浜淳之介ITmedia]
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チェーンの個性がにじみ出る

 価格の安さでは、ロヂャースも負けてはいない。ロヂャースは北辰商事(さいたま市)が経営するディスカウントスーパーで、ロードサイド中心に、埼玉県と東京都に15店を展開している。

ロヂャース

 ロヂャースでは、最安値で204円の弁当を販売している。店内調理で提供され、チキンカツ、メンチカツ、アジフライ、エビフライ、野菜炒めといった種類がある。激安でもメインのおかずにプラスして、きんぴらごぼう、ウインナーなどの副菜も入っている。ご飯もしっかりと入っているので、満足できる人も多いはずだ。米は自社のプライベートブランド「マイカイ」の福島県産会津喜多方こしひかりを使用。マイカイのふりかけも付いている。ソースやしょうゆが付いていないのは少し残念に感じられる。

 スパゲティナポリタン、焼きそばはなんと106円で販売されているが、量が少ない。食事としては物足りず、おかずの一つとして考えるべきものだろう。

ロヂャース、204円の「チキンカツ弁当」と106円の「スパゲッティナポリタン」

 ロヂャースは激安弁当でもうけるというよりも、弁当で味わった米やふりかけの購入につなげるのが狙いで、試食代わりに使っている面が強い。

 スーパーの弁当には、機能性を追求したもの、グルメに振り切ったもの、200円前後と安さの限界に挑んだもの、デカ盛りで楽しさを演出したものなどと、さまざまな意図で販売された商品がある。チェーンの個性がにじみ出ているといえる(文中の弁当・総菜には一部終売、曜日など限定で販売される商品が含まれる)。

コイララカマル氏(提供:ダイキョープラザ)
青野シェフ(提供:ダイキョープラザ)
総菜売り場(提供:ダイキョープラザ)
総菜売り場(提供:ダイキョープラザ)

著者プロフィール

長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。


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