価格の安さでは、ロヂャースも負けてはいない。ロヂャースは北辰商事(さいたま市)が経営するディスカウントスーパーで、ロードサイド中心に、埼玉県と東京都に15店を展開している。
ロヂャースでは、最安値で204円の弁当を販売している。店内調理で提供され、チキンカツ、メンチカツ、アジフライ、エビフライ、野菜炒めといった種類がある。激安でもメインのおかずにプラスして、きんぴらごぼう、ウインナーなどの副菜も入っている。ご飯もしっかりと入っているので、満足できる人も多いはずだ。米は自社のプライベートブランド「マイカイ」の福島県産会津喜多方こしひかりを使用。マイカイのふりかけも付いている。ソースやしょうゆが付いていないのは少し残念に感じられる。
スパゲティナポリタン、焼きそばはなんと106円で販売されているが、量が少ない。食事としては物足りず、おかずの一つとして考えるべきものだろう。
ロヂャースは激安弁当でもうけるというよりも、弁当で味わった米やふりかけの購入につなげるのが狙いで、試食代わりに使っている面が強い。
スーパーの弁当には、機能性を追求したもの、グルメに振り切ったもの、200円前後と安さの限界に挑んだもの、デカ盛りで楽しさを演出したものなどと、さまざまな意図で販売された商品がある。チェーンの個性がにじみ出ているといえる(文中の弁当・総菜には一部終売、曜日など限定で販売される商品が含まれる)。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
新刊『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか? 挑戦する郷土の味』(交通新聞社新書)が10月15日に発売されました!
駅弁といえば、かつては駅や列車内で買って食べる、列車旅に欠かせないものだった。それが今やスーパーでも見かけるほどに、日常的で身近な存在となっている。
元は「駅の駅弁」だったのになぜ、駅を離れて販路を広げることができたのか?
列車の高速化やモータリゼーションの煽りを受け、さらにコロナ危機にも直面し、駅で売れない状況に追い込まれながらも生き残る、駅弁の謎に迫る一冊。
◆「駅で売れない駅弁」だった?「いかめし」ヒットの理由を探るべく、いかめし阿部商店・今井麻椰社長にインタビュー!
◆コラム「駅弁はなぜ、高いのか?」など
◆巻末には「京王百貨店駅弁大会歴代売り上げベスト5」収録
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング