スタバを超える? シンガポール発「Flash Coffee」が人気のワケ独自メニューに「みたらしラテ」(3/5 ページ)

» 2022年01月03日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]

アプリによる事前オーダー「グラブ・アンド・ゴー」を推進

 フラッシュコーヒーの戦略においては、テクノロジーとの融合も欠かせないポイントだ。同ブランドでは、専用のアプリを通じて注文、カスタマイズ、支払いを行い、店舗でピックアップする「grab & go(グラブ・アンド・ゴー)」のスタイルを推進。顧客は、最短15分後からピックアップ時間をセレクトできる。

 このテークアウトスタイルは海外では比較的主流で、店舗での待ち時間を減らせる、オペレーションをスムーズに行える、顧客のデータを取得できるなどのメリットがある。

 加えて、専用アプリを活用することでリピーターの獲得にもつながるようだ。同ブランドでは、コーヒーを購入するごとに貯まる「Flashポイント」のほか、マイレージカードのように、購入金額や頻度によってブロンド、シルバー、ゴールドとステータスが上がっていく「ロイヤリティポイント」を付与。ゲーム感覚でポイントを貯められるチャレンジシステムもあり、ポイントを貯めたくなるような仕組みをつくっている。

アプリ上で注文、カスタマイズ、支払いができる「グラブ・アンド・ゴー」を推進

 同ブランドのメインターゲットは、25〜35歳のテクノロジーに精通したミレニアル世代。その層を中心に前後の世代からも支持されており、18〜45歳の顧客が89%を占める。現状は、顧客の20〜30%がアプリを通じて、注文や支払いをしているようだ。いずれは、アプリで取得したデータを活用して顧客の嗜好に応じたマーケティングの展開も見据えている。

 店舗スタッフ専用の「バリスタアプリ」もあり、注文確認や各店舗間の情報共有に役立っている。将来的には、各バリスタや店舗のパフォーマンスをリアルタイムで確認できる仕組みをつくり、業績によってインセンティブを付与することも考えているという。店舗の在庫管理においても、自動で管理できるシステムを開発中とのこと。極限までオペレーションを自動化し、とことんデータドリブンを貫くようだ。

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