“管理職を降ろされ不満噴出”を避けるには? M&A後の「等級・評価・報酬制度」統合のコツ突然のM&A その時、人事がキーマンになる(1/4 ページ)

» 2022年02月10日 15時30分 公開
[桐ケ谷優ITmedia]

連載:突然のM&A その時、人事がキーマンになる

 離職者が増加、「買収される側」の社員が反発、「買収する側」の社員にも不安と不信感が広まる──M&Aで起きてしまいがちな失敗を回避するための鍵は、“人事”の仕事にあった。人事コンサルタントの桐ケ谷優氏が、「M&Aを成功に導く、人事領域の対応」について解説する。

 前回の記事「M&A後の新会社で『ゼロから人事制度を作る』 両社が折り合わない時にプロが選ぶ方法とは」では、M&Aに伴って統合会社の人事制度を「ゼロベース」で設計する場合の留意点について解説した。

 今回は、人事制度の根幹となる等級制度・評価制度・報酬制度の統合について、より具体的に説明したい。制度を統合するにあたり、「A社には5段階の等級があるが、B社には6段階あるため、調整が必要になる」「M&A前の旧会社での人事評価を、どのように引き継ぐのか」「両社の基本給が異なるため、社員に納得感を持ってもらうにはどうすべきか」などの問題が生じる可能性がある。こうした問題の解決に向け、検討すべきポイントをお伝えする。

どう調整すべきか? 新人事制度の全体像の設計

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