今後の収益の拡大に大きく貢献するかもしれないのが、楽天モバイルの完全仮想化プラットフォーム「Rakuten Communications Platform(RCP)」をグローバルに販売する事業組織「楽天シンフォニー」だ。ドイツの通信事業者1&1がRCPを包括採用。また、米国の衛星放送事業者DISHが5Gネットワーク運用を支援するソリューションを採用しており、この楽天シンフォニーの売り上げが、モバイルセグメントの第4四半期の売上収益改善に寄与した。
楽天シンフォニーは日本の事業組織だが、売っているソフトウェアの売り先はほぼ海外だ。潜在顧客は130社を超えるとし、案件は「数千億円単位で立ち上がってくる」(三木谷氏)と語った。
ドイツの通信事業者1&1、DISHが「Rakuten Communications Platform(RCP)」を採用。他にも潜在顧客は多いとする
モバイルセグメントの第4四半期売上収益は前年同期比47.8%増の約653億円となったが、エリア拡大による費用が引き続き増加し、営業損益は前年同期比421億円減の1186億5300万円のマイナス
ただ、楽天シンフォニーが販売するシステムの評価は、日本の楽天モバイルの成功が裏付けとなる。システムの外販を成功させるためにも、楽天モバイルは、つながりやすく障害が出にくいネットワークを構築し、自社回線エリアを拡大してユーザーを増やし、日本におけるモバイル事業を必ず成功させなくてはならない。
- 楽天モバイル390万回線突破 3カ月無料の新キャンペーンで続く消耗戦
楽天モバイルの申込み回線数が、4月8日に390万回線を突破した。本サービスを開始してからちょうど1年となる。ドコモのahamoなど新料金プランに対抗するため、1月29日に1Gバイトまで無料で利用できる新プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」を発表し、加入者の伸びが加速した。
- 楽天モバイル新料金プラン 金額以外で明らかになったこと
楽天モバイルは、新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」を4月1日から提供すると正式に発表した。各社からの報道のとおり、3段階に変動するプランだ。従来は2980円(税抜)で使用量無制限だったが、データ利用量に応じて割安となる。
- 楽天モバイル200万契約突破 損益分岐点700万までの道のりは?
第4の携帯キャリアとして新規参入した楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」契約者数が2020年12月30日に200万回線を超えた。11月に160万契約を超えており、2カ月で40万契約を積み増した計算だ。
- “画期的”楽天ポイント利息、原資はポイントの改悪分?
楽天グループは18日、預けるだけで預金金利のように楽天ポイントが増える「楽天ポイント利息」の提供開始をアナウンスした。一度で最大50万ポイントまでポイントを預けることができ、月利にして0.009%、年0.108%ずつポイントが増えていくサービスである。楽天ポイント利息は「元本保証で、減少することはありません」と明記されている点で画期的である。
- 楽天と日本郵便なぜ提携? 物流以外に金融、モバイルにもメリット
楽天と日本郵便は12月24日、物流領域における戦略提携を行うと発表した。楽天のIT技術と、日本郵便の郵便局および配送網ネットワークを組み合わせて物流DXを進め、新たな物流プラットフォームを作っていく。物流だけでなく、金融およびモバイル分野でも提携の検討を進める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.