変革の財務経理

予算案の承認を得るには、どう進めればいい? CFO経験者が教える“数値の奴隷にならない”戦い方経営を動かすファイナンス(1/2 ページ)

» 2022年02月24日 14時00分 公開
[鷲巣大輔ITmedia]

連載:経営を動かすファイナンス

 財務や経理のみに限らない、ファイナンス人材の新たなキャリア候補FP&Aについて、FP&Aスペシャリストの鷲巣大輔氏が寄稿。今回は、FP&A部門に配属された人が知りたい「予算策定のやり方」についてです。

▼FP&Aとは?

CFOを目指したい人の登竜門? 『FP&A』とは、どんな仕事なのか


Q: 昨年春にFP&A部門に配属になった者です。この度、事業部門の予算策定をリードすることになりました。予算策定そのものが自身のキャリアにおいて初めての経験となるため、どのようなプロセスで進めたらいいのか、またどのような点に注意すべきなのか、全く見当がつきません。具体的なプロセス、留意点など、他企業の事例も踏まえて理解したいです。

A: 予算策定のやり方は、会社の数だけ存在します。本稿でご説明することが100%の絶対解ではないというのがまず大前提とはなりますが、私自身が複数の企業において予算策定をリードしてきた経験を基に、注意すべき点などをお伝えします。

予算は、中期事業計画とワンセット。計画なき予算も、予算なき計画も意味はない

 具体的な予算策定のプロセスに入る前に「予算策定」とはなんぞや? ということをご説明しておきましょう。

 予算策定を独立したタスクと捉えている人はとても多いですが、まず予算策定と中期事業計画策定はワンセットであることを強調したいと思います。

photo 画像はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

 そもそも予算とは、これから実施しようと考えている事業計画を、損益計算書(PL)やキャッシュフロー計算書といった財務数値に換算したものです。もう少し具体的に説明すると、企業が以下のメカニズムを定量的に表したものが予算です。

  • 企業や事業部といった組織は、達成すべき目的・目標をどのように捉えているのか
  • 現状と目的・目標と現状との間に埋めるべきギャップがどのくらいあるのか
  • ギャップを埋めるためにどのような経営資源(各費用項目や固定資産投資など)をどのように組み合わせるのか
  • 結果としてどのようなリターンを生み出すか

 つまり予算というものは単なる数値の羅列ではなく、そこには事業計画という「目的達成のメカニズム」が内包されたものであるべきだというのが予算策定における基本の「キ」、一丁目一番地の大原則なのです。

 そのため予算策定をリードする立場であれば、必然的にその大前提となる中期計画の策定プロセスにも大いに参画をするべきでしょう。仮にそれが難しい立場にあるのであれば、事業計画を策定する人たちと密にコミュニケーションをとって、事業計画の内容を深く理解することから始めることをお勧めします。

中期事業計画策定から予算策定、承認まではどう進める?

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