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管理職に求められるスキルや振る舞いは? 現実とのギャップが明らかに

» 2022年02月24日 10時26分 公開
[堀井塚高ITmedia]

 人材育成サービスを提供するラーニングエージェンシー(旧トーマツ イノベーション、東京都千代田区)は、「組織・チームの在り方の変化に関する意識調査」を実施した。10年前と現在を比較して、「求められる管理職像が変わった」と回答したビジネスパーソンは52.9%。これを管理職の回答だけで見ると「変わった」と回答した人は79.8%に上った。

ラーニングエージェンシーは「組織・チームの在り方の変化に関する意識調査」を実施した(出所:以下、リリースより)

 近年は管理職(課長クラス以上)にも、プレイヤー業務とマネジメント業務の両方を担うプレイングマネージャーの役割が求められるようになってきた。またテレワークの導入など、働き方が多様化するなかで、一般社員(非管理職)が管理職に求めることも変化しつつある。

 求められる管理職像としては「コンプライアンスやモラルを重視する」(82.7%)が最多。以下、「時間内で効率的に終わらせる」(75.9%)、「自ら何をすべきかを定義し、遂行する」(70.0%)、「個人としてのスキルアップを志向する」(68.4%)、「対話を重んじる」(67.7%)と続く。

 求められる管理職像と、管理職が実際に担っている役割で大きく差が出た項目は「自ら何をすべきかを定義し、遂行する」(マイナス40.9ポイント)、「ボトムアップで物事を進める」(同40.2ポイント)、「時間内で効率的に終わらせる」(同38.8ポイント)、「前例にないことを行う」(同38.7ポイント)、「対話を重んじる」(同35.3ポイント)、「部下に自分とは異なる強みの発揮を求める」(同34.3ポイント)だった。

管理職に求められていることは?

 求められる管理職像が変化した理由は、「働き方が多様化した」が最多で68.4%、以下、「市場環境が変化・複雑化した」(52.2%)、「従業員満足度や従業員の働きがいを重視する世の中になった」(42.0%)と続く。

管理職像が変化した理由は?

 管理職に求められるスキルや知識のうち、特に重視されるようになってきたものは、「マネジメント」が最多で60.4%。以下、「IT・デジタルに関するリテラシー」(45.1%)、「言語化する力(相手に合わせた表現で伝える力)」(40.9%)となった。

 これを管理職の回答で見たところ「マネジメント」(68.4%)と「コーチング」(50.1%)の2項目が一般社員の回答を大きく上回った。この結果についてラーニングエージェンシーは「部下を動かし、成果を上げることが求められる一方で、それが十分にできていないという管理職自身の課題感が反映されているのではないか」と推察している。

管理職に求められるスキルや知識で特に重視されているのは?

 調査は2021年10月11日〜12月13日に、ラーニングエージェンシーが提供する研修、講演の受講者を対象に実施された。サンプル数は5099人で、うち管理職は861人(16.9%)。

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