セブン-イレブン店内に置かれたATMで有名なネット銀行、セブン銀行が、口座保有者向けに証券取引サービスを提供する。銀行が投資信託などを販売することはよくあるが、株式というのは非常に珍しい。なぜ証券サービスを始めるのだろうか。
セブン銀行といえば、コンビニATMのビジネスで有名だ。各銀行が自前のATMの数を絞るなか、身近な生活圏にある、24時間利用できるといったメリットを生かし、ユーザーのATM需要を捕まえた。
現金の引き出し預け入れだけでなく、金融機関の住所変更やマイナンバーカードの健康保険証利用申し込みなどの行政サービスにも対応するなど、ATMを活用したさまざまなサービスを展開し、平均利用件数を増加させてきた国内に2万6026台(2021年12月末)のATMを設置し、利用件数は月間で約7933万件。ATM1台が1日に平均して100回使われている。1100億円(22年3月期計画)の年間収益のうち、ATM受け入れ手数料は981億円。まさに、コンビニという立地と業界のニーズを生かしたビジネスだ。
そんな中「ATMの会社だと認識いただいている。しかし、ATMに加えて他の事業も強化していく。銀行の口座ビジネスも取り組みを強化していく」と、今回の証券サービス導入を担当した、セブン銀行戦略事業部の中田裕朗グループ長は狙いを話す。
実はセブン銀行の口座保有者は248万口座、預金残高は5522億円に達している。さらに、20年4月から始めたアプリ「Myセブン銀行」のダウンロード数は120万を超えており、多くのスマホネイティブなユーザーが利用している状況だ。
このアプリの中で、デビットカードやローンに続く新たなビジネスとして提供していくのが証券サービスという位置づけだ。
セブン銀行、スマートプラスと組み証券サービス提供
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