セブン銀行がこのようなトライをする背景には、スマートプラスが提供する証券インフラ「BaaS」の存在がある。「証券サービスの利ざやは薄いので、軽く早く始められることが重要。BaaSはスピーディに立ち上げられて低コストだ」と、中田氏はスマートプラスのソリューションを選択した理由を話す。
BaaSはクラウドベースの証券サービスインフラ。共通基盤を元に提供することで、コストを独自開発の10〜20%に抑え、開発期間も短縮できる。証券サービスに必要なライセンスはスマートプラスのものを使う。建て付けとしては、セブン銀行が仲介業者としてスマートプラスのサービスに誘導する形を取るが、スマートプラスの名前は基本的に表に出てこない。見た目や操作感などはセブン銀行と統一されており、ユーザーはシームレスに利用できる。
金融サービスをパーツとして切り出して提供する仕組みは、エンベデッドファイナンスと呼ばれており、昨今急速に広がりつつある。スマートプラスのBaaSも、ANA X社やトヨタファイナンシャルサービスなど、すでに8件の導入が決定している。
住信SBIネット銀行も、NEOBANKという名称で銀行サービスの各社提供を進めている。銀行、証券会社、保険会社といった、金融サービスにおいての縦割りの垣根は、徐々に崩れようとしている。
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