コスト削減施策のうち、直接費についてはすぐに削減することは難しい半面、間接費については見直しの余地が大きいもの。そこで、間接費を削減するためのさまざまな施策を考えます。
企業は、利益を計上するために付加価値が高い(収益性が高い)事業を創出することが必要です。
これからは、高付加価値製品、高付加価値サービスを生み出すことで、日本経済全体のマークアップ率(販売価格÷コストのこと)を欧米並みに上げることが求められます。
図表1は、欧米と日本のマークアップ率の推移です。
日本は欧米と比べると上昇率は低く、利益が少ない状況であることが分かります。マークアップ率は販売価格とコストで決まるものですから、図表2の4つの戦略でマークアップ率を上げることができます。
ここからは、この4つの戦略について中小企業の視点で考えてみます。
ターゲットを明確にイメージして新製品や新サービスを開発し、高めの売価設定を行います。
当然に開発費用も掛かるものですが、遊休特許の活用や物流費用が少ない国内生産にすること等でマークアップ率を上げることができます。
前述のように高めの売価設定をしたうえで、さらにコストは下げる戦略です。
材料等の直接コストのみならず、オンライン活用による交通費等の削減等の間接コストも削減していきます。
あまり推奨されない戦略ですが、売価を小幅に下げて、コストは大幅に下げます。
つまり、売買差益が増えることでマークアップ率を上昇させる方法です。
資源価格が上昇している現下では、従来とは異なる素材に切り替えることで直接コストを減らすことができるかもしれません。
しかしこの場合、製品コンセプトや客層も変わってしまう可能性があります
これも、あまり推奨されない戦略です。
売価を小幅に下げる方法ですが、材料等の直接コストを現実的に下げることができない場合には、間接コストを下げるしかありません。
前述のようにマークアップ率を上げるための4つの戦略を理解し、自社の判断でコストダウン(大幅でも小幅でも)をすると決めた場合、理解しておくべきことは原価管理(=コストマネジメント)です。
コストマネジメントは原価を下げるためだけではなく、自社の経営や製品コンセプトに合うように意思を持ってコストの上げ下げを管理することを指します。
ここから、原価管理に必要となる事項を、1つずつ確認していきます。
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