変革の財務経理

売上が減少傾向……それでも「間接費」を削減して、収益力をアップさせる方法留意点は?(3/6 ページ)

» 2022年03月15日 07時00分 公開
[企業実務]

(2)間接材料費の削減方法

 製造業の製造原価を形成する直接材料費に付随する費用のことを、間接材料費と言います。

 例えば、ウォータージェット加工における水や、各種の消耗品、劣化や摩耗する備品等が間接材料費になります。

 間接材料費を削減する代表的な方法は、大量一括仕入れです。仕入先数の観点からは、複数社から1社に限定して一括仕入れにすることで費用を削減することができるでしょう。

 ただし、仕入業者を絞り過ぎると、現在のように資源不足が生じているときには仕入れができなくなることもあり、注意が必要となります。

 また、大量仕入れした間接材料を保管する倉庫費用にも留意が必要となります。

(3)間接労務費の削減方法

 直接労務費は工場等で勤務する従業員の賃金ですが、間接労務費は、賞与や退職金(引当額)、福利厚生費等のことです。

 間接労務費だけを削減することを考えるよりも、工場等で発生する労務費ならば、直接労務費でも間接労務費でも削減することを考えましょう。

 例えば、工場の無人化、モニター制御やモニター監視システムの導入、多能工化、ベテラン社員のノウハウを若年層にシフトしていくこと等が有効でしょう。

(4)間接経費の削減方法

 直接経費は、外注加工費のことだと考えてください。

 一方、間接経費は大変に幅広く、例えば、加工機械の減価償却費、工場の賃借料、電力やガス・水道等の動力費、修繕費、交通費等が該当します。

 間接経費の削減方法としては、物流コストが低く抑えられる立地にする、工場内に仕掛品ラックシステムを設けて縦空間(頭上空間)を生かす、蓄電池を取り入れて夜間電力を活用する、打ち合わせのための出張を減らしてZoom等のオンライン方式を取り入れる等が有効でしょう。

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