――コロナ禍が販売増を後押しした面もあるようですが。
米国でコロナ禍が厳しくなった20年3月にトイレットペーパーが街の棚から消えるという事態が起きました。ニューヨークタイムズなどのメディアが米国で言うところの「ビデシート(温水洗浄便座)がトイレットペーパーの代わりになるよ」というような取り上げ方をしました。
認知度が上がる中で、こうしたメディアの記事も加わり、さらにアマゾンなどのサイトレビューを使った人が口コミで発信してくれることで、ウォシュレットの良さが広がっていきました。昔、口コミは友達の井戸端会議の話題にすぎなかったですが、いまではSNSなどを通じて多くの人の口コミを気軽に発信し、情報を得られるような環境になりました。そのような背景から一気に温水洗浄便座のマーケットが大きくなったとみています。
また著名人がウォシュレットを使ってみて良かった、という口コミを言ってくれたとか言っていないとか?……そういう話はいくつも聞いています。
――地域的には米国のどこで良く売れているのでしょうか。個人住宅で売れ出したということですか。
多くの日系企業と同じで、最初に西海岸で商売を始めて、そのあと東海岸、さらに南部に広げました。西部は日本に近いので受け入れ感が強いです。西部と東部が大きなマーケットで、いまは南部も伸びてきています。南部というと保守的なイメージがあるかもしれませんが、テキサスのような大都市では伸びています。
一番売れているのは一般住宅です。バスルームはプライベートな空間でウォシュレットもそういう分類の商品です。従って一般住宅向けに売れている、とみています。また、体験してもらう機会を増やすためにホテルにはスイートルームに戦略的に納入するなどしてきました。今ホテルの現場でもスイートから他の客室へ採用が広がってきています。
――米国市場で販売を増やすための特別なキャンペーンはしたのでしょうか。
市場規模がまだ小さいので、大掛かりなテレビCMを打つようなことはしていません。メインは口コミで体験機会の創出です。
十数年前に、ブロードウエイのビルボードに広告を出したことがあります。しかしビジュアルではウォシュレットの良さを伝えにくく、体験機会の創出、口コミに注力してきました。商品を買う時にアマゾンサイトの有名人のレビューを見るのが当たり前になってきたことで、口コミを重視してきた当社にとってはマーケティングがやりやすくなったと思います。
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