静岡県が大井川の減水問題などを理由に、リニア中央新幹線の建設工事に「待った」をかけ続けている。国土交通省も「仲介役」として乗り出したが、解決の見込みは立っておらず、2027年に予定している品川―名古屋間の開業が危ぶまれてきた。
愛知県の大村秀章知事は静岡県・川勝平太知事を徹底批判し、三重県の鈴木英敬知事も「今まで色々(いろいろ)な人たちが努力して積み上げてきたことにもう少し誠実に対応してほしい」と話すなど、異例の“同業者批判”が行われている。
川勝知事への批判は他県からだけではない。お膝元・静岡県内からも噴出している。
「川勝知事は、(リニアの工事により)大井川下流域の藤枝市や焼津市で汲(く)み上げている地下水が減ると、住民が生活に困ると指摘します。しかし、JR東海は、トンネルで発生した湧水は導水路トンネルで大井川に戻すと言っています。それを実行すれば、下流域の水資源利用に問題はないはずです」
元島田市長で現在は県議会議員の桜井勝郎氏は話す。
現在、桜井県議は無所属で、リニア中央新幹線に対しては、「賛成でも反対でもない」立場を取っている。
静岡県知事の「リニア妨害」 県内からも不満噴出の衝撃【前編】
静岡県知事の「リニア妨害」 県内からも不満噴出の衝撃【後編】
リニア建設を阻む静岡県――川勝知事の「禅問答」がもたらす、これだけの弊害
リニアの「徐行」は新幹線の最高速度だった
元経産官僚・岸博幸が斬る――リニア反対は「私利私欲」、静岡県を貶める川勝知事の「醜悪パフォーマンス」
リニアを阻む「水問題」 専門家の指摘で分かった“静岡県のもっともらしいウソ”
リニアを止める静岡県 川勝知事「ヤクザ・ゴロツキ」暴言問題の背景に「ハコモノ行政」
「冷やし旅」に「ずらし旅」 JR東海が“観光低迷県”で繰り出した意外な戦略
赤字企業・JR東海の反転攻勢策と「東海道新幹線不要論」
猛暑の愛知で冷やし旅? コロナ影響続くJR東海「奇策」の狙い
瀕死の観光産業を救うか? GoToで注目される「ずらし旅」とは
“グランクラス2.0”始動! 「新幹線版ファーストクラス」をリニューアルするJR東の「次の一手」
山手線、東海道新幹線の隣にある「巨大な穴」は、リニアの「秘密基地」だった
長野県、山梨県、静岡県が「首都圏」になる日
JR東海が「駅のない」奈良で観光キャンペーンを仕掛ける理由
着工できないリニア 建設許可を出さない静岡県の「正義」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング