リニアを阻む静岡県が知られたくない「田代ダム」の不都合な真実「県民のため」と本当に言えるのか?(1/4 ページ)

» 2019年10月01日 05時00分 公開
[河崎貴一ITmedia]

 静岡県が大井川の減水問題などを理由に、リニア中央新幹線の建設工事に「待った」をかけ続けている。国土交通省も「仲介役」として乗り出したが、解決の見込みは立っておらず、2027年に予定している品川―名古屋間の開業が危ぶまれてきた。

 愛知県の大村秀章知事は静岡県・川勝平太知事を徹底批判し、三重県の鈴木英敬知事も「今まで色々(いろいろ)な人たちが努力して積み上げてきたことにもう少し誠実に対応してほしい」と話すなど、異例の“同業者批判”が行われている。

 川勝知事への批判は他県からだけではない。お膝元・静岡県内からも噴出している。

 「川勝知事は、(リニアの工事により)大井川下流域の藤枝市や焼津市で汲(く)み上げている地下水が減ると、住民が生活に困ると指摘します。しかし、JR東海は、トンネルで発生した湧水は導水路トンネルで大井川に戻すと言っています。それを実行すれば、下流域の水資源利用に問題はないはずです」

 元島田市長で現在は県議会議員の桜井勝郎氏は話す。

 現在、桜井県議は無所属で、リニア中央新幹線に対しては、「賛成でも反対でもない」立場を取っている。

photo リニア中央新幹線(ITmedia ビジネスオンライン編集部撮影)

川勝知事が言う「命の水」は減らない

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