――温水洗浄の便座をプレゼントするような需要もあるようですが。
アマゾンでは年末に子どもから父母へのプレゼントとして贈ることもあるようで、年末のギフトキャンペーンの時はこの商品の売り上げが上がります。これは子どもが先に使ってみて良かったから、親にも使ってみてというもので、こうした形でも需要が増えてきています。
プレゼントとしてもらったら、お父さんが自分で据え付けられるように、米国のウォシュレットは手で便座のネジが締められるなどDIYに対応した仕様になるよう変更を加えています。
――米国ではトイレは浴室のそばに置かれるため、ウォシュレットを設置するためにコンセントを付けると漏電の恐れがあるとして、敬遠される傾向があると聞きます。そのあたりの対策はどうしているのでしょうか。
漏電防止のため、トイレにはコンセントがないことが多いですが、最近は髭そり、電動歯ブラシ、スマートスピーカーなどをバスルーム(洗面所)に置く人も多くいるのでコンセントの数は増えてはきました。米国の住宅市場は改築が多いので、改築の時にコンセントを増やすこともありますが、トイレにコンセントがないことがウォシュレットを普及させる上で足かせになっていた部分はあります。
――温水便座の認知度が上がったのは、メディアの記事などにより、コロナ禍でビデを使いましょうという雰囲気が出たからなのでしょうか。
米国で温水洗浄便座の一般名詞として一番使われているのが「ビデシート」という名称で、ウォシュレットもこれに含まれています。これにより、今まで知らなかった人も温水洗浄便座がどのようなものかを知るようになり、使う人も多くなってきています。
――米国メディアのウォシュレットを見る目も変わってきたということでしょうか。
20年前までは、日本のメーカーは「トイレにまで電化製品を米国に持ち込んできた」と笑われました。私が赴任して一体型の高級なウォシュレットを売ろうとしたときは「ロールスロイス」といわれて、少しトレンドが変わってきたと感じました。日本やアジアで普及しており、生活を豊かに、快適に感じる良い商品だ、というポジティブな情報として取り上げられました。以前のように面白おかしくという形での紹介ではありませんでした。
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