ウクライナ侵攻の裏で何が? イーロン・マスクの“技術”が生命線に世界を読み解くニュース・サロン(3/5 ページ)

» 2022年03月24日 09時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

「インターネットが使えなくなる」ことを避ける

 もともとインターネットは、世界と接続されている光ファイバーケーブルを海底から陸に揚げて、国内の通信基地から接続していく。ただそうした基地などが破壊されてしまえば、インターネットなどは使えなくなる。フョードロフ副首相がスターリンクを求めた理由は、それを避ける目的でもあった。

通信確保に「スターリンク」を活用(画像はイメージ)

 するとマスク氏は27日にこうSNSで返信した。「スターリンクのサービスをウクライナで開始した。ターミナルをどんどん送る」

 この投稿にはさまざまな質問が飛び交ったが、マスク氏は多くを語らなかった。すると3月1日にはスターリンクの通信機器の第1便が到着したと、フョードロフ副首相が写真付きで明らかにした。

 ただ、ウクライナでスターリンクを使っている人は少ないので、通信がロシア側にバレてしまう可能性があると報じられると、マスク氏は3月4日に「重要:スターリンクはウクライナのいくつかの地域で動いているロシア製ではない唯一のコミュニケーションシステムなので、標的になる可能性は高い。十分注意して使ってほしい」とツイートしている。

 フョードロフ副首相は3月10日、16日、19日にも多くのスターリンクのシステムが到着していることを写真入りでツイートしている。現在、かなりの数のスターリンクが現地で動いているはずだ。

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