「セコマ」6年連続で顧客満足度1位のなぜ 大手がやらない“非効率の極み”経営本州にも店舗がある(2/4 ページ)

» 2022年03月29日 05時00分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]

北海道に特化した高密度集中出店政策

 セイコーマート最大の特徴は、何といっても北海道にほぼ特化した出店政策にあります。1176店舗(22年2月度)のうち、北海道内に1084店舗、埼玉に9店舗、茨城に83店舗と店舗の92%は北海道内にあります。

 コンビニは今や全国平均では2200人に1店舗という高密度出店の業態です。北海道ではそれが1745人に1店舗です。北海道にあるコンビニは2994店舗と全国5位ですが、コンビニの店舗密度は日本一濃いエリアなのです。

全国のコンビニ店舗数

 人口10万人当たりの店舗数でも北海道は57.31店と全国1位です。もちろんセイコーマート以外のコンビニもあります。しかし、北海道内におけるセイコーマートの店舗数シェアは36.2%とセブンを上回っています。

人口10万人当たりのコンビニの店舗数

 セイコーマートの実質的な創業者である故・赤尾昭彦元セコマ会長は、1971年8月、札幌市内にセイコーマートはぎなか(後のセイコーマート1号店)を立ち上げています。セブンが1号店を作る3年も前にコンビニをつくっているのです。日本のコンビニ1号店は東京・豊洲のセブンだと思っている人は多いかもしれませんが、実は現存する日本最古のコンビニはセイコーマートなのです。

 酒類を中心とした食品卸会社・丸ヨ西尾の社員だった赤尾氏が、取引先だった食料品店をコンビニに業態転換させたのがセイコーマートの始まりです。酒販店生き残りの道筋をコンビニに見たのです。当時から米国のコンビニを研究し、創業時から物流網の重要性に着目。90年代初頭には北海道全域への配送体制をつくりあげたといいます。これにより、北海道全域に店舗を構えることが可能となりました。そして、北海道の人口カバー率99.8%という高密度集中出店により、まさにセイコーマートがない町はないという状況をつくり上げました。

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