日本最大のポータルサイト「Yahoo! JAPAN(ヤフージャパン)」を運営するヤフーを傘下に持つZホールディングス(ZHD)と、LINEが経営統合して1年が経(た)つ。
前編【Zホールディングス川辺、出沢CEOが語る展望 ヤフーとLINEの相互理解を深めて世界の“第3極”に】と、中編【Zホールディングス川辺、出沢CEOに聞くメタバース、Web3、NFT 「大きなチャンスになる」】に続き、後編をお届けする。
後編では、サードパーティーCookieへの規制や、個人情報保護法の改正などにどう対応しようと考えているのかを聞く。
――川辺共同CEOはヤフーの社長を退任して、ZHD社長に専任することを決めました。その理由は何ですか。
コロナ禍でますます多くの人がネットを使うようになったと理解しています。結果的にヤフーはまだまだネットでやれることが出てきました。設立して25年以上が経(た)ちましたが、もっと伸ばしていけると思っています。だから新しい経営チームにすることにしたのが交代の理由です。
ZHDは、ヤフーを含む全体を大きくしていかなければなりません。ですからヤフーの社長と、ZHDの社長を両立すると、どちらも中途半端になると思いました。それならばヤフーの経営は新しいチームに任せて、私はZHDの社長として、各グループ会社と等距離でシナジー効果を利かせ、ZHD全体を大きくしていきたいと考えました。
――広告についてお聞きします。現在サードパーティーCookie(クッキー)などを活用して消費者のWebサイト閲覧状況などの行動履歴を取得し、興味を引きやすい広告を配信するターゲティング広告に対し、プライバシー保護の観点から制限を加えようという動きが出ています。これに、どう対応しますか。また、検索連動広告についても同様に説明してもらえますか。
川辺: ターゲティング広告については、(Webサイトの訪問者情報を一時的に保存している)クッキーの影響が大きかったのではないかと思います。それ自体はスマートフォンのプラットフォーマーなどの規制が随分進んできているという認識です。
検索連動広告は、ユーザーが検索したら、それに関連して自ら興味がある広告を表示することによって、ユーザーにとって理解が得やすい広告だと思いますし、ユーザーとのエンゲージメント(深い関係性)が作りやすい広告商品と理解しています。
いずれにしても、ユーザーファーストのサービスを作ることを標ぼうして、ユーザーから収益を得ている会社ですから、その時々のユーザーの感覚に合わせて使う広告手法を変えて、対応していきたいと考えています。
出沢: ユーザーのプライバシー保護は大前提だと思います。さらに4月から改正個人情報保護法が施行されるので、それを先取りしてユーザーの理解を得る形で取り組んでいきたいと思います。
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