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同じ部署の「働かないおじさん」と、うまく仕事を進めるには「働かないおじさん問題」のニュータイプ化(2/4 ページ)

» 2022年04月06日 07時00分 公開
[難波猛ITmedia]
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「陰口」を言っても意味がない、必要なら「表口」を言う

 コロナ禍で様変わりしましたが、以前は「居酒屋で、上司や同僚の愚痴を言う」場面があったと思います。若い社員は「うちの上司(先輩)は、現場が分かっていない」、年配社員は「近頃の若者は、仕事への責任感が足りない」などなど。

 陰口は簡単で楽しいかもしれません。実際に、「カタルシス効果」や、「シャーデンフロイデ(他人の不幸は蜜の味)」という心理効果が得られます。ただ、その効果は「自分の気持ちが少し晴れる」だけで「相手の行動が変わる」ことはなく、根本的な問題は永遠に解決しません。

 「働かないおじさん問題」を解決するには、フィードバックによって相手の気付きと行動変容を促す必要があります。

  • 「こういう風に行動してもらえるとうれしい」
  • 「こういう言動が続くと、仕事で困ってしまうので変えてほしい」
  • 「私が手伝えることはありますか」

 など、自分がコミュニケーションの起点として相手や状況の変化を促すことを考えてはいかがでしょうか。

 組織に所属する一人一人が「自分でも変えられる所はないか」「お互いが感じていることは率直に話し合おう」と考える習慣ができると、組織風土は大きく改善していきます。

 自分の憂さ晴らしにしかならない「陰口」ではなく、組織や相手の役に立つための「表口」にしてしまうのです。

組織や相手の役に立つ「表口」(提供:ゲッティイメージズ)

 相手や組織のためを思って発言することは「自分の課題」、その発言を相手がどう受け止めるかは「相手の課題」。アドラー心理学でいう「課題の分離」を行い、勇気を持って一歩を踏み出すと、ベテラン社員や上司は、皆さんの勇気ある態度を尊重・信頼してくれることが実際は多いです。

 とはいえ、年長者や職位が上の人たちへ直接意見するのを躊躇(ちゅうちょ)しがちな気持ちも分かります。そんな場合、上司を巻き込んでうまく動いてもらう「ボスマネジメント」が解決策になります。

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