マーケティング・シンカ論

「虹のコンキスタドール」の生みの親 もふくちゃんに聞くマーケティングとマネジメント成長の仕方は十人十色(3/3 ページ)

» 2022年04月14日 22時30分 公開
[柳澤昭浩ITmedia]
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フィリップ・コトラーのマーケティング論

 以上が、「でんぱ組.inc」「虹のコンキスタドール」を武道館の舞台に上げるまでに育成した福嶋麻衣子さんへのインタビュー内容だ。

 マーケティング戦略を策定する上で、ターゲティングとポジショニングの重要性、必要性は論をまたない。

 今回取り上げた「虹のコンキスタドール」では、近年主流ではない王道系アイドルのファンをターゲットにした。また、全農とのコラボなど、今や広く認識されるSDGsを重視する姿勢を感じさせるアイドル像という独自のポジションを取っている。

 フィリップ・コトラーが提唱するマーケティング論では、製品中心の1.0、消費者志向の2.0から価値主義・自己実現といった3.0、4.0の時代を迎えている。

 その中で重要な要素とされるのが3i(ブランドのアイデンティティー、インテグリティー、イメージ)だ。元気な王道系アイドルというアイデンティティー、全農とのコラボなど社会貢献的な側面も持つイメージ、そして差別化されたポジションに誠実であるインテグリティー。

 福嶋さんのプロデュースには、それらのモデルも組み込まれていた。虹コンは武道館ライブを機に新たな局面を迎えようとしている。福嶋麻衣子さんの次の一手に注目だ。

著者プロフィール

柳澤 昭浩(やなぎさわ あきひろ)

18年間の外資系製薬会社勤務後、2007年1月より10期10年間に渡りNPO法人キャンサーネットジャパン理事(事務局長は8期)を務める。科学的根拠に基づくがん医療、がん疾患啓発に取り組む。2015年4月からは、メディカル・モバイル・コミュニケーションズ合同会社の代表社員として、がん情報サイト「オンコロ」コンテンツ・マネージャーなど多くの企業、学会などのアドバイザーなど、がん医療に関わる様々なステークホルダーと連携プログラムを進める。「エンタメ×がん医療啓発」を目的とする樋口宗孝がん研究基金、Remember Girl’s Power !! などの代表。


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