リテール大革命

カメラとAIで人件費25%削減 トライアルGOが取り組む自動値下げや顔年齢確認の可能性(1/5 ページ)

» 2022年04月22日 13時00分 公開
[小山安博ITmedia]

 トライアルは4月20日、福岡県宮若市において新型店舗「トライアルGO脇田店 in みやわかの郷」をオープンした。「日本で初めて」という年齢確認付きの顔認証決済や、「世界初」という売り場カメラと電子棚札が連動する「自動値下げ」などを実現した「次世代型スマートストア」と位置づける。今後、顔認証決済の実験を継続し、店舗の省人化などの取り組みを強化していく考えだ。

トライアルGO脇田店 in みやわかの郷。福岡県宮若市の脇田地区にオープン。オープン時には近隣から多くの買い物客が詰めかけた

 スーパーマーケットのトライアルカンパニーや、小売業界向けのAI開発のRetail AIなどを傘下に収めるトライアルホールディングスは、AIとIoTを組み合わせた店舗運営の効率化などを目指した取り組みを行っている。宮若市とは技術開発拠点の開設、運営などで協業しており、その開発拠点として設立した「リモートワークタウン ムスブ宮若」には宮若市AI開発センター(MUSUBU AI)が設置され、同社だけでなく28のメーカーなどが参画しているという。

オープン前には宮若市の塩川秀敏市長も参加。MUSUBU AIを含めた同社との連携による地域の発展に期待を寄せていた

 このムスブ宮若の敷地内にオープンしたのが、実験店としても位置づける「トライアルGO脇田店」。従来のトライアル店舗に比べて売り場面積はコンパクトな300坪程度になっているが、1200坪(約3966平米)の店舗と同等の品揃えを実現できる、という。

トライアルGO脇田店の店内。ここは地域の産直コーナー。天井カメラで商品の売れ行きを生産者が直接確認できる
店内には多くのサイネージが設置され、これもAIで売れ行きなどを見ながら調整されている
品揃えは一般的なスーパーと同等だが、天井カメラによって商品棚を監視してAIの分析につなげている
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