グローバルな人材雇用において避けられないと考えられてきた、煩雑な労務管理とコンプライアンスリスクを解消し、雇いたい企業と働きたいワーカーを地理的な制約から解放するのがディールだ。
同社は契約から給与支払いまでをワンストップで引き受けるプラットフォームを提供し、ノーション(Notion)やショッピファイ、ドロップボックスやコインベースといった名だたる企業を顧客に抱える。ユーザー企業はディールの現地法人90カ国を介して世界150か国以上でグローバルに人材を雇用できる
PEOと異なるのは雇用責任もディールが担う点だ。EOR(Employer of Record)と呼ばれるサービスを提供し、200を超える現地の法律事務所などのパートナーと手を組むことで、各国の法律や税制に的確に対応しリスクを低減している。
また給与や経費支払いにおいて、仮想通貨を含む120以上の通貨に対応しており、企業は金額や支払い方法についてのみ確認すればワンクリックで支払いが完了する。海外への送金手数料や現地通貨に交換するための為替手数料も軽減できる。
ディールが2021年下期を総括する目的で発行した「State of Global Hiring Report 2021」では、雇用主の企業はいわゆる経済先進国が多く、地域ごとの割合はNAM(北アメリカ)が63%、次いでEMEA(ヨーロッパ、中東及びアフリカ)が27%を占めた。一方でワーカーはフィリピンが12%で首位、次いで米国が10%、アルゼンチンが6%となっている。
ディールを通じて雇われるワーカーは、リモートワークが容易で、かつ案件ベースで仕事が見つかるエンジニアやデザイナー、コンサルタントなどの職種が多い。産業別で見てもITサービスやコンピューター、インターネット関連の業種が上位を占めている。
近年、シリコンバレーを筆頭に米国でのエンジニア給与水準は右肩上がりに上昇しており、海外に人材を求める動きがディールなどのサービス利用に拍車をかけている。
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調剤薬局のDX化を猛烈に推し進めるスタートアップがある。薬歴システム「Musubi」を提供するバーティカルSaaS企業、カケハシだ。導入した薬局から熱烈な支持を受け「1年で3倍の売上成長」というスピードで躍進を遂げるカケハシの戦略はどのようなものだろうか。
三菱商事発のMCデータプラス、知られざる“ユニコーン級"バーティカルSaaS企業とは
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