トヨタ自動車が5月11日に発表した2022年3月期決算では、営業利益が過去最高となる2兆9956億円となった。6年ぶりに最高益を塗り替えた。国内企業の営業利益としても、過去最高となる。
連結販売台数は7.6%増加し823万台、売上高は15%増加し31兆3795億円となった。
営業利益の増加額7979億円の増減要因は、為替変動の影響が+6100億円、原価改善が+2800億円、台数・構成によるものが+1800億円、金融事業が1050億円、その他が+5750億円。一方で資材高騰による影響が6400億円のマイナス、労務費など諸経費が2200億円のマイナスとなった。
近健太CFOは最高益となった今期の決算結果について「これまで続けてきた取り組みの結果」だと強調。リーマン・ショック以降、収益構造を改善してきた結果、損益分岐台数が大きく下がり、リーマン・ショック時から3割下がった。
これまで最高益だった16年3月期からの6年間で、1416億円の増益となっているが、その内訳は、為替、台数、資材価格、固定費がそれぞれマイナスの影響をもたらす中での増益だった。連結販売台数は868万台から823万台に減少。為替も当時のドル円120円から112円まで円高となった。
23年3月期については、連結販売台数で7%増の855万台を見込む。うちBEVやハイブリッド車などの電動車は13.6%増えて307万台、全体に対する比率は約3ポイント増加して31%とする計画だ。
売上高は5.4%増加の33兆円、営業利益は20%減の2兆4000億円を想定する。減益見通しの内訳としては、為替変動により+1950億円、台数・構成など営業面努力で+8150億円を見込む。一方で、資材高騰のマイナス影響が1兆4500億円に及ぶことが減益に大きく影響する模様だ。
トヨタは、1800億円の部品代高騰をどうやって乗り切ったのか 原価改善のファインプレー
国内乗用車メーカー7社の決算(前編)
吉野家は、飽和する国内市場でなぜ郊外と女性に目をつけたのか?
サイゼリヤがコロナ前をはるかに上回る利益水準になった理由
グローバル化からブロック化へ 世界のものづくりの大きな転換点Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング