東急ハンズCIO・メルカリCIOなどを務め、現在は独立してプロフェッショナルCDO(最高デジタル責任者)の道を進む長谷川秀樹氏が、個性豊かな“改革者”をゲストに酒を酌み交わしながら語り合う対談企画。執筆はITライター・ノンフィクション作家の酒井真弓。
プロフェッショナルCDO(最高デジタル責任者)の長谷川秀樹氏が、改革者と語り合う本対談。今回のゲストは大手ホームセンター、カインズの代表取締役会長 土屋裕雅氏。
2018年、「IT小売企業」になると宣言したカインズは、3カ年中期経営計画(19〜21年度)で、デジタル関連事業に100億〜150億円を投資すると表明。内製化に舵を切るため、エンジニアの採用に注力、現在に至るまで200人近くを採用した。
そのきっかけは、当時東急ハンズのCIOだった長谷川氏との出会いにあるというのだから、会社もDXも、何がどう影響するのか分からない。
長谷川: カインズが「IT小売企業」を宣言したきっかけは何だったんですか?
土屋: 大げさではなく、長谷川さんとの出会いがきっかけです。長谷川さんとは、17年の冬にラスベガスで開催された「AWS re:Invent」で出会い、そこから交流が始まりましたよね。
当時の僕は長谷川さんの話が全く理解できなかった。「AWS re:Invent」のキーノートで、周りが「これはすごい」と感動していても、僕には何がすごいのか分からなかった。ちんぷんかんぷんだったんです。
それでも、店舗のオペレーションについては専門領域なので、米国のノードストローム社(大手百貨店)やロウズ社(大手住宅リフォーム・生活家電店)といった海外の小売業のIT責任者に直接質問することができ、大興奮したのを覚えています。
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