乾氏はスマートフォンや、SNSの普及により、情報収集のやり方が変化したことも就職人気企業ランキングに影響していると話す。
「1995年ごろまでは就職情報誌での情報収集が主流でした。そこから各社がインターネット就職情報サイトの配信を開始し、インターネット上での情報収集が主になりました。当社が運営する新卒向け就活・就職サイト『あさがくナビ』へのアクセスは、14年まではPCからのアクセスが多かったですが、15年にはスマートフォンの割合がPCを上回り、現在では8割を占めています」(乾氏)
乾氏は「スマートフォンを使用し就職活動を進める学生には、直感で出てきた情報が希望に近いかを判断し、欲しい情報にたどり着きたいと考える傾向がある」と話す。PCを利用していた際は、今ほどコンテンツや情報があふれておらず、自身で検索をして情報収集をしていた。スマートフォンを使いこなすSNS世代の就活生は、フリーワードからの検索ではなく、ザッピングしながら情報収集をする傾向が強いという。
乾氏は、この「ザッピング感覚」での情報収集が、ランキング結果にも影響していると話す。
上位にランクインする企業は、採用広報に力を入れており、積極的にテレビCMやインターネット広告を打ち、説明会や就活イベントに参加している企業が少なくない。学生が企業の名前、情報を目にする機会が多くなるほど、「親しみやすさ」が増し、エントリーへのハードルが下がるというのだ。
大手企業でも合同説明会への参加頻度が少ないと、学生は就職先として意識をすることがなくなり、順位を落とすのだという。
インターネット就職情報サイトでは、企業の情報収集、説明会への参加申し込み、エントリーなどを簡単にできる。勤務地や年収、業界、職種、会社規模などの希望条件を入力し、該当する企業の紹介ページを見てエントリーするかを判断する。検索履歴から希望条件や志向に合う企業をレコメンドする機能を搭載しているサービスも多い。
インターネット就職情報サイトの仕組みは、居住地や年齢、年収、身長などの希望条件で検索し、出てきた異性の写真、プロフィールを見て直感的にスワイプするマッチングアプリの仕組みと似てきた。
「企業を知っている」「なんとなくイメージが良い」「商品を利用している」など、感覚的に企業を選び、説明会やインターンに参加し、見極める。今の就活は"マッチングアプリ化"しているのかもしれない。
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