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社員に「空気読ませる」のはNG テレワーク時代に求められるマネジメントとは?“ゆるいマネジメント”からの脱却へ(3/4 ページ)

» 2022年05月30日 05時00分 公開
[川上敬太郎ITmedia]

従来のコミュニケーションが弊害招く恐れも

 ところが、テレワークが勤務形態のレギュラーポジションとして一画を占めるようになると、これまでの手法で密な関係性を構築することが難しくなります。もし週3日出社して2日テレワークするハイブリッドだとしたら、日々の職場で顔を突き合わせながら雑談を交わす機会や仕事終わりに飲みニケーションする機会は、完全出社時と比較して40%減です。完全テレワークの場合であれば、それらの機会はゼロになってしまいます。

 そのため、これまでと変わらない密な関係性を維持し続けようと、強制的に同じ場に集う機会を設ける会社も出てきます。それは、リアルな場での接点が減ったことを寂しく感じている社員には望ましいことです。しかし、仕事場に密な関係性を望まない社員にとっては不要なイベントであり、そのためだけの出社要請に強いストレスを感じることもあります。

従来のままのマネジメントでは社員の気持ちを見誤る恐れも(画像はイメージ、出所:ゲッティイメージズ)

 5月10日、日本経済新聞は「メンタル不調を見える化 コロナで需要、早期発見を支援 」と題する記事で、社員のメンタル面の不調を発見しやすくするスタートアップの取り組みが相次いでいると報じました。

 脱・出社一択時代のチームには、毎日顔を合わせ、飲みニケーションなどを通じて密なつながりが構築できている社員と、リアルな場で会う機会の少ない、あるいはリアルに会ったことは一度もないような社員とが混在します。

 そんな出社&テレワーク混在型チームに、出社一択時代のコミュニケーション手法をそのまま適用し、一律に「あうんの呼吸」を求めても、どうしても無理が生じます。それどころか、テレワークしている社員にとっては不利な環境となり、日々出社している社員との間に溝が生まれてメンタル不調を引き起こす火種へと発展しかねません。

 脱・出社一択時代を迎えた今、「あうんの呼吸」ありきの“ゆるいマネジメント”を機能させることは日に日に難しくなっているのが実情です。では、脱・出社一択時代にはどのようなマネジメントが必要になるのでしょうか? ポイントを3点挙げます。

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