コロナ禍を機に働き方は大きく変化しつつあります。最も顕著なのは、会社によって温度差は見られるもののテレワークが一気に身近な存在となり、勤務形態としての市民権を得たことです。
その後、ワクチン接種が進んだことなどもあり外出禁止ムードが緩和され、出社する社員は増えました。しかし、グーグルやベネッセなど、今も出社とテレワークを織り交ぜたハイブリッドワークを導入している会社もあれば、Facebookを運営するメタや三菱ケミカルのように出社不要で完全テレワークを掲げている会社もあります。
今後もテレワーク比率は変動することがあったとしても、職場のあり方はこれまでのような出社一択時代に戻ることはなさそうです。会社は、出社していてすぐ目の前にいる社員と、テレワークしている社員の両方を上手くまとめ、成果が出せるチームを構築しなければなりません。
この流れは、チームマネジメントのあり方にも少なからず影響を及ぼします。管理職はこれまでの感覚で脱・出社一択時代の出社&テレワーク混在型チームを指揮しても、上手く機能せず成果を思うように上げられない可能性があります。
最近、Togetterでこんな投稿が話題になりました。
「友人と話していて気付いたんだけど、日本企業(主語がデカい)がなぜ働きにくいのかというと、『マネジメントとガバナンスが弱いと、空気を読んだ越権が要求されているから』で、これが『マジメなオタク』と極めて相性が悪い『空気を読んだ越権』ってのがすごく難しくて、下手すると刺されて死ぬ」
社内のルール整備が不十分だったり、整備したものの守られなかったり、ルール外の不文律があるような会社では、仕組みを利かせた統制が取れずに、隙間だらけの“ゆるいマネジメント”がまかり通ってしまいます。管理職からの指示を受けてルール通りに稟議書を回していても、「この件は○○部長にも了解をとってください」などと、平気で経理部門から承認ルートにない根回しを求められたりします。
社員としては「そんなルール、聞いてないよ!」と言いたいところですが、“ゆるいマネジメント”を前提に業務全体が回っているような会社では、むしろルール通りに対処しようとすると融通が利かないと見なされたり、不文律を知らない方が悪いと見なされる雰囲気が支配的です。
“ゆるいマネジメント”で生じる統制の隙間を埋めるために社員に求められるのが、不文律情報を収集し、担当職務・職域に縛られず上手く立ち回る「空気を読んだ越権」です。「この稟議を通すには、ルール通りでよいのか?」と隙間の存在を事前に察し、自己責任のもと、時に職域を飛び越えるようなことがあっても適切な読みを働かせて行動する社員が重宝されます。
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