ファイナンシャル・ウェルビーイング経営とは何か【一問一答】(1/3 ページ)

» 2022年08月10日 13時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 企業の間で注目されている「ウェルビーイング」経営。従業員の幸福感を高めることで業務の生産性が上がるという考え方で、特に身体的な健康に注目して「健康経営」などとも呼ばれる。ただし、“ウェルビーイング”であるべきなのは、身体だけではない。昨今関心が高まっている「フィナンシャル・ウェルビーイング」について、Q&A形式で解説する。

 聞いたのは、企業にフィナンシャル・ウェルビーイングを高めるプログラム「ブロっこり」を提供するブロードマインドの鵜沢敬太氏と村上潤氏。

1 ファイナンシャル・ウェルビーイングって何ですか?

 簡単に言うと、「自分のお金の健康について自信と能力がある状態」です。もう少し具体的に定義すると、「現在と将来にわたって、経済的な健全性と、それを裏付けにした人生における選択の自由が確保できている状態」となります。

 ウェルビーイングは日本語では幸福感という言葉に近いと思います。そのウェルビーイングな状態には5つの要素が関係していると米国のギャラップ社は定義しています。そのうちの1つがファイナンシャル・ウェルビーイング、お金の健康です。

米ギャラップ社が定義する5つのウェルビーイング

2 健康経営との関係を教えて下さい

 健康経営はギャラップ社のウェルビーイングの5つの要素のうち「身体」の健康に焦点を当てた経営施策です。なぜ企業が従業員の身体の健康に取り組むのかと言うと、身体が不健康な状態だと従業員の仕事の生産性(パフォーマンス)が低下することが明らかになっているからです。従業員が元気で健康的に働いてくれた方が仕事の生産性が高く、結果として自社の業績や企業価値も向上するという判断のもと、多くの企業が熱心に健康経営に取り組まれています。

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