しかし、自助努力が求められる部分もまた大きい。「ぬれ煎餅」だけではなく「まずい棒」など、さまざまな食品やグッズをつくり、鉄道の運行費用にあてることにした。
「どうやって鉄道を動かし続けるのか?」が銚子電気鉄道の課題となっていく。銚子電気鉄道は経営を維持するために、エンターテインメントを示し続けているとも言える。
実際に竹本社長は各種メディアに登場しPRに余念がないだけではなく、運転士免許を取得し、社長自らが運転することもアピールしている。時期によっては、社長が運転する列車をSNSで告知している。
銚子電気鉄道の資金を集めるために映画を製作したこともあった。映画のタイトルは『電車を止めるな!』で、ホラーコメディだ。
銚子電気鉄道を利用する人は、地元の人と鉄道ファンくらいしかいない。しかし、その人々に銚子電気鉄道が「物語」を提供することで、経営状態を少しでも良くする「弱者の戦略」を取っている。
厳しい鉄道会社は多い。しかしその“弱み”を生かして、徹底した「弱者の戦略」で利用者を引きつける方法もあるはずだ。このあたりの戦略を地元の人やファンと共有できていることが、銚子電気鉄道の強みである。
「強者の戦略」を選択できる会社は限られているものの、現在のような厳しい状況の中では、「弱者の戦略」が多くの鉄道会社に必要のようだ。
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