ふるさと納税の返礼品の代わりに現金を受け取れる「キャシュふる」が6月10日、サービスを終了した。運営元で、システムやアプリ開発などを行うDEPARTURE(東京都新宿区)が発表した。同社は8日にサービスを開始していたものの、Twitterでは「黒に近いグレーなサービス」などの意見が出ており、物議を醸していた。金子恭之総務相も記者会見で同サービスについて「制度の趣旨から大きく外れたもの」とコメントしていた。
キャシュふるは、ふるさと納税の返礼品受領権をマッチングするプラットフォームとしてサービスを開始した。返礼品が「いらない人」の、ふるさと納税業務を代行し、運営元が自治体に寄付。返礼品を「欲しい人」に販売するとともに、売り上げの一部(納税額の20%)と寄付証明書を依頼主に送付する。運営元は返礼品の販売手数料を得るというビジネスモデルだった。
こうしたサービス内容に対し、Twitterでは「三店方式で現金化するシステム」「クレジットカードのショッピング枠の現金化みたいな仕組み」などの意見が出ていた。
自治体からのクレームも、同サービスへの批判に拍車を掛けた。サービス開始当初、公式サイトに「寄付予定先」として複数の自治体を記載していたが、いずれの自治体とも提携関係はなかったことが判明。新潟県魚沼市は公式Twitterアカウントで「『キャシュふる』と魚沼市は関係がない。いかなるトラブルがあっても、当市では一切責任を負えない」とユーザーに注意喚起をしていた。
これに対し、運営元のDEPARTUREは「サイトに掲示した各自治体様とは、一切の提携関係、協力関係にない。掲載の委託を受けた事実もない」と説明し、謝罪した。その後、あたかも自治体と提携しているサービスと誤解し、サービスを利用したユーザーがいる可能性がある」として、全額返金を行うと発表していた。
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