モンスト脱却目指すミクシィ、ゲームの次が公営ギャンブルとスポーツ事業なワケ妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(3/8 ページ)

» 2022年06月20日 07時00分 公開
[妄想する決算ITmedia]

直近は減収減益

 続いて直近の22年3月期の業績を見ていきましょう。

  • 売上高は1.0%減の1180.9億円
  • 営業利益は22.9%減の160.6億円
  • 経常利益は26.0%減の170.2億円
  • 純利益は34.6%減の102.6億円

 で減収減益となっています。

 これまで見てきた、スクウェア・エニックスカプコンといったゲームソフト企業は22年3月期の方が成長していましたが、モバイル中心のミクシィはそうではなかったようです。

 モバイルゲームは、例えば移動の合間で遊ぶように、隙間時間をうめるコンテンツでもあります。コロナの影響があり在宅時間が増える中で、隙間時間は減少していましたから、専用ハードを使うようなリッチなコンテンツの方が需要が増えていたということでしょう。

 続いてもう少し詳しく業績を見ていきます。

 ミクシィの事業セグメントは(1)デジタルエンターテイメント事業(ゲーム事業)(2)スポーツ事業(3)ライフスタイル事業と3つあります。

 それぞれの事業の業績の推移は

  1. デジタルエンターテイメント事業:売上高912.1億円(9.3%減) 利益388.4億円(13.2%減)
  2. スポーツ事業:売上高185億円(45.7%増) 利益53.4億円の赤字→51.4億円の赤字
  3. ライフスタイル事業:売上高83.7億円(38.9%増) 利益3.9億円の赤字→0.7億円の赤字

 となっていて、主力のゲーム事業はまだまだ大きな利益は出ているものの減収減益となっています。

 23年3月期のゲーム事業の通期の予想としても、モンストの下落トレンドが持続する中で売り上げは10.1%減を見込んでいますから、モンストの業績悪化は止まらないようです。世界でみるとモバイルゲーム市場はまだまだ成長市場ですが、日本国内のモバイルゲーム市場はかなり低成長となっていますから、市場面で考えても成長は難しいでしょう。

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