6月19日に楽天証券が新たに始める、投信の楽天キャッシュ決済の申し込みがスタートした。これは、電子マネーを使って投信を積立購入できるという、業界初の試みだ。8月積立分以降の設定が行える。
単なる新機能、新商品と様相が異なるのは、並行してクレジットカードによる投信積立のポイント還元額が変更になるからだ。これまで楽天カードを使ったクレカ積立は1%をポイント還元していた。しかし、利用ユーザー数の急激な増加と、投信からの収益率低下により、還元率の引き下げを余儀なくされた(記事参照)。9月積立分からは、ほとんどの投信において還元率が0.2%に下がる。
楽天キャッシュ決済は、このクレカ積立の後継サービスとして楽天証券は位置づけている。楽天キャッシュ決済では、従来のカードより還元率はダウンするものの0.5%。さらに12月積立分まではキャンペーンで0.5%が追加還元されるなど、クレカ積立の受け皿となることを狙う。
こうした背景から、申込みの画面では、既存のクレカ決済を行っているユーザーが簡単に楽天キャッシュ決済に移行できるUIUXが整備された。積み立てる投信はそのままに、画面の案内に従っていくだけで、支払い方法を楽天キャッシュに変更できる。
楽天キャッシュは電子マネーのため、事前のチャージが必要だ。その点についても、楽天カードから自動的にチャージされる「残高キープチャージ」機能をグループのEdy社が新開発した。こちらも、今回の変更画面の中で簡単に設定できる。
UIUXを設計した楽天証券アセットビジネス事業部の横山英恵マネージャーは「クレカ積立をスタートしたときから、投信積立をスマホでいかに簡単に直感的にできるかを重視してきた。今回はクレカ積立から乗り換える人も一定数いる。どれだけシームレスに設定できるかに注力した」と話す。
今回の仕組みは、クレジットカードで楽天キャッシュにチャージし、楽天キャッシュを使って投信を買い付けるという流れだ。これまでよりも1段階ステップが増えて複雑になり、かつ還元率が大きいこと以外にユーザー側のメリットは感じにくい。移行がうまくいくかどうかは、UIUXの設計がカギになる。
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