マイナポイント第2弾、6月30日スタート 2万円付与で国民全員は動くのか?(2/2 ページ)

» 2022年06月21日 17時55分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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メリットが感じられない、情報漏えいに不安

 なぜ取得が進まないのか。それは国民にとってマイナンバーカードを取得する意義、メリットが現在見当たらないからだ。野村総研が21年8月に行った調査によれば、マイナンバーカード非保有者に対して持たない理由を尋ねたところ、「メリットが分からない」が54.9%と過半となった。

野村総研が21年8月に行った調査では、マイナンバーカード非保有者の半分が「メリットが分からない」と理由を挙げた

 マイナンバーカードには、コンビニで住民票が取得できたり、自治体のオンライン申請に使えたり、確定申告などにも利用できる。しかし、ほとんどの人にとっては年に1回使うかどうかといった内容で、メリットが感じにくい。

 一方で、取得手続きには役所に出向く必要があるなど煩雑だ。また、個人情報漏洩リスクについても、説明は歯切れが悪い。マイナンバーカード裏側に記載されているマイナンバーについて、「これが他人に知られるとまずいのか。どんな問題があるのか」と尋ねたところ、「基本的には知られないほうがいい。その上で、知られたからといって何か支障はない仕組みになっている。仮に見られたとしても大きな問題にはならない」(馬場審議官)という回答だ。

 名前や住所も個人情報だが、必要があればこれを相手に伝えるのは一般的だし、それが人手に渡ったときの悪影響もある程度想像できる。ところがマイナンバーについては、どこまで注意して管理すべきなのかが分かりにくい。マイナンバーに関する、この漠然とした不安感が、非保有者がその理由として挙げる「個人情報漏洩リスク」(25.3%)の根幹にあるのかもしれない。

マイナポイントで国民はどこまで動く?

 利用のメリットが感じられないだけでなく、個人情報保護に関する不安も根強い。それでも国民に普及させるために、お金で釣ろうというのが今回のマイナポイント施策だ。

 野村総研の冨田勝己氏は、日本人の年間平均ポイント獲得額が1万〜2万円、クレジットカードの新規入会時のポイント付与が最大1万円相当という中で、「マイナポイントの2万円相当のポイントは、生活者にとってかなり大きい。直近は値上げがいろいろな分野で起きている。家計の助けにもなる」とコメントした。

 果たして2万円分のポイント付与で、残り半分の国民は動くのか。マイナポイント第2弾は、9月がマイナンバーカード申し込みの締め切りとなる。あと3カ月でその効果は明らかになる。

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