これだけの経済効果をもたらすパンダだが、他の動物でも同等の効果を期待できるのだろうか。その1つの候補として挙げられるのが「ネコ」だ。
有名なのが、07年に一大ブームとなったわかやま電鉄貴志川線の「たま駅長」だ。三毛ネコのたまが、初代ネコ駅長として就任したのをきっかけに、その愛くるしさから、日本国内に留まらず海外からもファンが訪れるほどになった。宮本名誉教授の試算では、たま駅長による和歌山県への経済効果は、約11億円に及んだ。
近年では、コロナ禍におけるネコ関連の経済影響を「ネコノミクス」とする動きがある。宮本名誉教授は2月、ネコノミクスで約2兆円の経済効果があったと発表した。ただこの結果は、あくまでも日本全国で暮らすネコによってもたらされた効果であるため、まだまだパンダ1頭あたりには遠く及ばない。
宮本名誉教授は、ここまで日本でパンダが人気になったのは「かわいい物好きという国民性が関係している」との自論を展開する。パンダもネコも、人々をひきつけるかわいらしさがあるから、人々は見に行くのだ――まさに「かわいいは正義」を物語っている。
「経済はあくまでも人々が起こした結果」と宮本名誉教授は話す。かわいさでも経済効果でもパンダを超える動物は、そう簡単には現れなさそうだ。6月23日に1歳の誕生日を迎えるシャオシャオとレイレイからしたら、「日本経済回復の起爆剤」という役割は気が重いかもしれないが、そのかわいさで日本経済を引っ張ってほしいと願ってやまない。
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