そんなグミ市場であるが、最近パッケージに「かみここち指数」を表す食感チャートが記載されていることに気が付いただろうか。グミの新たな利用シーンを生み出そうと、明治が21年8月から始めている取り組みだ。
かみここちを客観的に判断できるようにするため、「人の感覚」「そしゃく中に受ける力」「かみちぎりやすさ」という3つの指標で総合的に評価。グミのかみ応えを6段階に分けたチャートで表現している。
例えば、「果汁グミ」は食感チャート2。日本人に心地よい食感を目指したという。また、弾力食感を訴求する「コーラアップ」は食感チャート5となる。チャート5を超え「5+」と表記された「コーラアップ ザハード」のパッケージには、「この商品は弾力が超強力なため、硬いグミが苦手な方はご遠慮ください」との表記も。
グミを買うときに重視する点として『食感』と答える人が増加傾向にあると紹介したが、明治がグミの「かみここち」に重きを置く理由はそれだけではない。吉川氏は、ガムにはないグミの魅力として「“かむ”こと」と「器としての価値」があると説明する。
「ガムを口に入れた際、始めは『かもう』と意識しますが、だんだんと無意識にリズミカルにかむようになります。一方グミは、口に入れた瞬間は結構硬いですよね? かみ進めると途中で形が崩れ、小さな力でかめるようになります。その時実は、脳は考えながら力を弱くし、砕けたものが舌や歯の上に乗り続けるよう調整しているのです。人間はグミを食べるときに、結構頭を使って食べていて、それがどうも健康に良さそうだということが分かってきました」(吉川氏)
かめるものであれば何でもいいわけではないようで、例えば、スルメやガムの硬さはほぼ一定で硬さの調整が難しい。一方グミは、「もうちょっと硬い方が価値がある」と分かった時には調整が自由にできるという。
「器としての価値」は、常温で長期間保存ができること。カバンに入れて外に持ち出せたり、オフィスにストックしてサッと食べたりできる。吉川氏は「カルシウムやビタミンなど、フレーバーに合わせてさまざまな成分が配合できる点も魅力的だ」と話す。
これらをうまく活用し、健康につながる要素をプラス。グミに新たな価値を付加するのが食感チャートの狙いという。現行のチャートでは、かみここち指数を数字のみで表しているが、今後は専門家と相談しながら、例えば2は「リラックスしたいとき」、5は「イライラしたとき」などそれぞれに適したシーンを記載する予定だ。
「将来的には、子どもが受験勉強で集中させたいから5を買おうとか、小さなお子さんでかむ力が弱いから、1のグミだけを食べさせようといった新しい買い方ができるのではと考えています」(吉川氏)
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