メンバーが自分の顔色ばかりを伺ってきて、あまり提言・提案をしてくれない──。そんな悩みを抱えるマネジャーもいるのでは? 部門をけん引するマネジャーとして、自分の考えに自信を持ち、示すことも重要ですが……そのままの状態を放置しても大丈夫なのでしょうか? 大槻経営労務管理事務所の大槻智之代表に話を聞きました。
全然大丈夫ではありません。提言・提案がないのは、部下の問題ではなくマネジメントの問題だからです。
2016年にグーグルが提唱した「生産性の高いチームは心理的安全性が高い」というものがあります。これは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態にしようということです。
その上で、上司として2つ重要な役割を果たしていません。1つ目は情報を収集し活用することです。一般的にマネジメント層には、「メンバーの持っている有効な情報を収集し活用する」という役割があるといわれています。ここでいうところの「有効」とは、成果に対して有効な情報であるということです。つまり、この情報を収集する機会を逸しているとなると、チームとして得られたであろう成果を見過ごしている可能性が高いといえるのです。
2つ目は部下の育成です。上司が行う育成はOJTです。OJTとは(1)理解させる、(2)自分でやってみせる、(3)実際にやらせてみる、(4)フォローアップするというのが基本的な流れです。そして、これらの機会を意図的に与えることが上司の仕事なのです。ですから「自分の顔色ばかりうかがって……」と、あたかも全て部下の能力に原因があるかのような考えはすぐに改めて、上司としての仕事をしてください。
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