「西へ向かう新幹線」は各種産業の集積地であり、大都市は大きく連なっている場所を走っている。それゆえ、特に東海道新幹線では高頻度運行が必須となっており、それに合わせた座席やチケットレスサービスを提供している。
一方「北へ向かう新幹線」は、観光客やビジネス客、通勤客など多様な層の利用を前提としており、それに合わせて快適な(あるいはぜいたくな)「グランクラス」サービスなどを提供し、予約システムも「えきねっと」と一体化している。
東海道新幹線は、東海道本線のビジネス需要がひっ迫する中で生まれ、山陽、九州と延伸を続けても、その流れの中に新幹線が存在している。9月に完成する西九州新幹線の車両は、東海道新幹線、山陽新幹線と同じN700Sだ。こちらでは6両編成、デザインなどは水戸岡鋭治氏によるもので特徴を出しているものの、基本的なところは変わらないのである。
東北新幹線などは、需要喚起や利便性向上の中で生まれたもので、それゆえにさまざまなサービスを提供する余地があり、工夫も可能になっている。
東京駅から出る各新幹線は、特性に合わせた戦略を取っている。最適化こそが、高速鉄道ビジネス成功の秘けつである。
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