「人が足りない。人を募集しても優秀な人がこない」――こんな悩みを吐露する経営者が増えてきました。以前から人手不足が問題となっていた介護やITなどの業界だけでなく、事務職でもなかなか人が集まらないという相談を受けます。
一方で、黒字リストラを敢行する企業もあります。そこで今回は人手不足が問題になりつつある今、なぜ黒字リストラは増えているのか? その背景について解説します。
黒字リストラとは、将来を見据えた企業構造の再構築を目的として行われる人員の削減です。通常、リストラは業績不振に陥った企業が行いますが、退職金の上乗せなどにより一時的な出費がかさむためあえて業績がいい時期に行うのが特徴として挙げられます。そして次のような目的で実施すると言われています。
年功序列から成果主義へ移行してきたとはいえ、まだまだ年功序列型の賃金制度を採用している企業は少なくありません。40代後半以降の社員を削減することで、浮いた原資を若手社員に回すことができます。
ただ大企業に入社できたくらいですから、もともと優秀な人材である可能性は高いでしょう。なぜ人手不足の状況でそのような人材を減らすのかという疑問もあります。スポーツ選手ならともかく、事務系の仕事では45歳を過ぎたからといって能力が衰えるわけではありません。
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