20年度には、接続料の計算方法が変わった。実績に基づく「実績原価方式」から合理的な予測に基づく「将来原価方式」となった。なお、原価と利潤を需要で割るという計算式の基本的な考え方は同じだ。
実績原価方式は、過去の実績から接続料を導き出していたが、最初に算出される接続料は仮のもの。最新の実績に合わせて2度の精算を実施し、最終的に接続料が確定するのは2年後だった。接続料はMVNOにとってモバイル事業の主要な原価であるのに、実績原価方式では接続料の確定が遅れ、原価管理に支障があるとの不満がMVNOにはあった。
一方、接続料が年々下がっている状況にあっては相対的に高い接続料を支払うことになり、キャッシュフロー負担ともなっていた。逆に、接続料の低減率が予想を下回ると追加の支払いが発生し、MVNOの業績が悪化することもあった。
そこで、原価などの予測値に基づいて、向こう3年分の接続料を算定する将来原価方式を採用。この方式は光回線の接続料でも採用されている。複数年度の接続料が算定されることで、MVNOにとっては予見性が大幅に高まるとともに、キャッシュフロー負担も減る。
なお、予測と実績にズレが生じた場合は精算する。つまり、予想よりも接続料が高くなれば、MVNOに追加の支払いが発生することになる。
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