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パソナの淡路島移転計画はどうなっている? 家族で引っ越した社員が語ったリアルな日常長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)

» 2022年07月02日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

商業施設を次々とオープン

 パソナの淡路島開発の成果として、西海岸の淡路サンセットラインにレストラン、物販店を点在させてにぎわいを生み出したことは、特筆される。

のじまスコーラ
のじまスコーラ、地場の野菜売場

 パソナが初めて西海岸にオープンさせた商業施設は、12年の「のじまスコーラ」、閉校した野島小学校をリノベーションしたドッグテラスを持つカフェ「カフェ・スコーラ」、淡路島の食材を使うイタリアン「リストランテ・スコーラ」(“地産地消の匠”といわれる山形県鶴岡市「アル・ケッチァーノ」奥田政行シェフがプロデュース)、新鮮な島の野菜や土産物を販売する「のじまマルシェ」、保存料や着色料を使わない焼き立てパン「のじまベーカリー」、ミニ動物園の「のじま動物園」などからなる複合施設だ。農業、製造業、商業を融合した6次産業の拠点としても位置付けられている。

 リノベーションに際して、外観には赤い色をアクセントとして足したが、時計台などのデザインにはほとんど手を加えていない。元から公立小学校にしてはおしゃれな校舎だった。

 以降、西海岸にオープンした商業施設、店舗を列挙してみよう。

14年:のじまスコーラに程近い海沿いに、ハチミツカフェ「miele(ミエレ)」。

16年:のじまスコーラから4キロほど北側の海沿いに、シーサイドマーケット&レストラン「クラフトサーカス」。島に集まった芸術家たちによる工芸品や雑貨、地産地消のレストランを集結させた。

クラフトサーカス
クラフトサーカス店内

17年:ミエレの斜め前の立地にオーシャンビューのグリルレストラン「オーシャンテラス」。

18年:ミエレから1キロほど北の海沿いに、サンリオと提携したメディアアート&レストラン「ハローキティ スマイル」。ハローキティの世界観を表現したアトラクションや本格中華、創作鍋料理、アフタヌーンティーなどが楽しめるようにしている。

19年:クラフトサーカスのすぐ近くに、ハローキティのショーとヴィーガン料理が楽しめる「ハローキティ ショーボックス」。

20年:クラフトサーカスから1キロほど南側の海沿いに、劇場&レストランの複合施設「青海波」。これは、寿司・天ぷら「青の舎」、洋食「海の舎」、古酒専門のバー&ショップ「古酒の舎」、小劇場「波乗亭」からなる複合施設。「青の舎」はオーシャンビューがどの席からも楽しめるように、海に向かって階段状に座席が並んでいるのが特徴。

21年:オーシャンテラスと同じ建物の2階に、ミエレの姉妹店「ミエレザガーデン」。

オーシャンテラス
淡路ビーフを使ったオーシャンテラス店内

22年3月:明石海峡大橋に近い島の北端部に、天然ラドン温泉のホテル「望楼 青海波」。

22年4月:ハローキティ ショーボックスに隣接してハローキティのりんごのおうち、展望シアター「ハローキティ アップルハウス」をオープン。夢の世界をプロジェクションマッピングで表現した。

 このように、毎年のようにパソナは淡路サンセットラインに、島外から顧客を呼び込む施設を新規オープンさせている。まさに、西海岸はパソナが開発した新たなリゾートと言っても過言ではない。

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