ただしMeituはアプリを無料で提供したため、上場時も経営は赤字で、売り上げの9割以上をセルフィーに特化した「Meituスマートフォン」に頼っていた。
日本のアニメキャラクター「美少女戦士セーラームーン」とコラボしたモデルを販売するなど、女性に特化した商品を展開していたが、ファーウェイやOPPOが高性能カメラや美顔加工機能を搭載したスマートフォンを展開すると、差別化が難しくなり、Meituの稼ぎ頭だったスマートフォン事業は18年に赤字に追い込まれた。
この頃のスマートフォン市場は世界的にもアップル、サムスン、中国のファーウェイ、Xiaomi、OPPO、vivoによる寡占化が進み、ブラックベリーや京セラといった大手メーカーも劣勢に立たされていた。製造業のバッググラウンドを持たないMeituの先細りは当然だった。
Meituは18年、スマートフォン事業でXiaomiと提携する道を選ぶ。男性ファンが多いXiaomiと女性ファンに支えられたMeituの組合わせは「理想の結婚」と評価されたが、成果を上げられないままMeituは19年にスマートフォン生産から完全撤退。21年3月までにXiaomiとの提携も終了した。
コロナ禍でユーザーを一気に増やしたショート動画も、Meituが先行しながら、後発に抜かれて尻すぼみになったサービスだ。
14年にリリースした「美拍(Meipai)」は、美顔加工アプリとの相乗効果で女性ユーザーをつかみ、16年までショート動画分野で首位を走っていたが、16年前後に参入したバイトダンスの「抖音」(海外でのブランド名は「TikTok」)に一瞬で抜き去られてしまった。
美顔スマートフォンにショート動画と、市場の成長初期に目を付け、うまく波に乗ったはずが、どちらも強すぎるライバルの台頭で尻すぼみになってしまった。
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