Meituの現在の収益源はオンライン広告やオンラインマーケティング、SaaSビジネスなどで、5〜6年前に比べると「細々」感が否めない。21年春の仮想通貨の大量購入は、同社の発表通り「ブロックチェーン事業への進出準備」であると同時に、話題づくりや相場の上昇による資産価値拡大を狙ったものだろう。
仮想通貨暴落が招いた赤字拡大について、Meituは「ブロックチェーン業界は高成長を続けており、仮想通貨はその不可欠な要素。相場の下落は一時的なトレンドで長期的な将来性は楽観視している」と説明した。
仮想通貨の下落と足並みをそろえるように、Meituの株価も下げの一途をたどっている。一時は1000億香港ドル(約1兆7300億円)に迫った時価総額は、今は50億香港ドル(約870億円)を割っている。
Meituの株価がピークを付けた5年前、同社の美顔加工アプリは日本の「化粧」、韓国の「美容整形」、タイの「性転換」と並ぶ「アジア四大妖術」と中国の若者にもてはやされた。
だが、お金も技術も不要でワンクリックで「美」が手に入る美顔アプリを提供する企業の仮想通貨投資に対し、中国では「経営に錬金術はない」「本業に地道に投資してほしい」との声が挙がっている。
早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育などを行う。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。帰国して日本語教師と通訳案内士の資格も取得。
最新刊は、「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。twitter:sanadi37。
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