クルマのメンテナンスフリー化が進んでいる。新車から5年はオイル交換のほかは、燃料給油とタイヤの空気圧を管理する程度で走り続けることが可能なくらい、クルマの信頼性が高まっている。けれども機械や電子部品は永久に使い続けられるものではない。
一定の期間はメンテナンスを不要としているだけで、それを過ぎればメンテナンスの必要性は出てくることになる。それもモジュール化された部品(部品単体ではなく、それ自体で機能をもった部品の集合体、アッセンブリー)をまるごと交換することが多く、出費も大きくなってくる。
修理ではなくアッセンブリー交換で対応するしかなく、部品の供給が止まれば壊れたクルマを直すことはできなくなる。機能を高めながら、生産や部品の管理を容易にするために、クルマはよりシステマチックな構成へと進化しているからだ。
新しいうちは機能的で快適な走りを享受することができるが、クルマは3年や5年で寿命を終えるようなものではなく、耐久消費財だ。故障を嫌って5年で買い替えるオーナーもいるが、それはまだクルマに価値が残っているから可能になる。つまりセカンドオーナーやサードオーナーが存在するからこそ成り立っているのだ。そうした長いクルマのライフの間には故障することもある。
結局、長い車齢の間に故障しないことは、ほぼあり得ない。小さなマイナートラブルで済めばラッキーだが、昨今は前述のモジュール化もあって、結構な出費を強いられることも珍しくない。
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