21年の「西洋料理」は、ディナー比率の高いスペイン料理やシーフードレストランが落ち込んだ。その一方、テークアウトやデリバリーでの利用が多いプレミアムハンバーガーやパスタレストランなどでランチ需要が回復し市場は拡大。22年は、時短営業やアルコールの提供制限などの営業自粛が緩和されることでディナーが回復に向かい、引き続きランチも好調で市場は前年比2桁増が見込まれる。
21年の「日本料理」は、インバウンド需要の喪失により苦戦した。接待・会食利用の多い業態で客数が減少、前年に引き続き市場は縮小している。
22年は、通常営業の再開に伴う客数の回復やアルコール需要の増加、人数制限の緩和で店舗の稼働率が向上していることから、市場は前年比38.0%増が見込まれる。
21年の「東洋料理」は、ランチの需要回復やテークアウト、デリバリーのユーザー獲得で伸長した業態もあった。だが、ディナー比率が高いため、営業時間の短縮や休業などにより集客に苦戦し市場は縮小している。
22年以降は各業態で客数の回復が期待され、上位チェーンの新規出店もあり市場拡大が予想される。
21年の「エスニック料理」は、時短営業や臨時休業を実施した店舗が多くアルコール需要の高いディナーが回復に至らず、また在宅勤務の定着などによる需要減退で、市場は前年に引き続き縮小。22年は、人流回復やイートインの好調に加え、アルコール提供制限解除でのディナーの回復、デリバリーの定着もみられ市場は拡大するとみられる。
21年の「宿泊宴会場」では、ビジネスホテルが出張者の減少から苦戦した。一方、前年よりも人流が増えたことによって、その他の業態はプラスとなり、市場は前年比2桁増となった。
22年は、アルコールの提供や観光施設の営業再開に加え渡航制限の緩和が進むとみられる。マイクロツーリズムやワーケーションなど新たな需要が創出されていて、各社が従来の用途以外でのユーザー獲得に向け、取り組みを強化している。市場拡大が予想されるという。
22年はコロナ禍での入店人数制限や営業時間制限が緩和され、どの外食産業のカテゴリーでも市場拡大を予想する結果となった。しかし、東京を中心に新型コロナの感染者数はまた少しづつ増加している。22年下半期はどう変化するか、注視される。
今回の調査は、富士経済専門調査員による参入企業、関連企業・団体などへのヒアリングと関連文献調査、社内データベースを併用して実施した。期間は3〜5月。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング