DMM.com(以下DMM)は7月20日、同社が運営する各サービスでのMasterCard決済を7月29日午後2時で終了すると発表した。DMM側は「諸条件が折り合わず、残念ながら契約終了となった」とのみ回答しており、契約終了の詳細については明らかにしていないが、Twitterで「MasterCard」がトレンド入りするなど、ネット上では突然の通知に衝撃が走っている。
7月29日午後2時以降は、VISA、JCB、AMERICAN EXPRESS、Diners Clubしか利用できないようになる。このため、MasterCardユーザーに対して、クレジットカードの登録変更を呼びかけるとともに、専用窓口を開設し、対応に当たっている。
ユーザーからは「急すぎてビビる」「突然なぜ?」など終了10日前に通知するというDMM側の対応を疑問視する声が挙がっている。
契約終了の要因として、アダルトコンテンツを扱う「FANZA」の存在を指摘する声も出ている。FANZAも今回の一件の影響を受けているためだ。
アダルトコンテンツを巡っては、20年12月、米ニューヨーク・タイムズ紙が児童虐待や同意のない性交の動画が投稿されているとして、アダルト動画サイト「Pornhub」を批判する記事を掲載。VISAとMastercardが運営元のカナダMindGeekの違法行為を調査し、VISAは決済を停止すると発表していた。
これを受け、MindGeekは承認ユーザー以外がアップロードした動画800万本以上をPornhubから削除。記事を執筆した、元東京支局長のニコラス・クリストフ氏は自身のTwitterアカウントで「XVIDEOSにも圧力をかけるべき」と主張していた。
英フィナンシャル・タイムズは6月24日付けの記事で「アダルト産業を規制しているのは政府や国際条約ではなく、VISAやMasterCardだ」と報じている。
DMM側はアダルトコンテンツと契約終了の関係性について「契約の詳細については回答を差し控える」としつつ、FANZAが影響を受けた理由について「DMMが決済関係などを担当しているため」と説明した。
DMMは18年、FANZAを含む成人向け事業を分社化。現在はデジタルコマース(東京都港区)が運営しているものの、これまでの経緯から同サービスの会員管理や決済、ユーザーサポートなどはDMMが担当しているという。
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