ロサンゼルス・エンゼルス所属の大谷翔平選手が7月20日(現地時間19日)、米大リーグ機構(MLB)オールスターゲームに「1番・指名打者(DH)」で先発出場する。21年以来2年連続の出場。昨季は史上初の投打“二刀流”での出場だったが、今季は打者での出場に専念する。野手として2年連続の先発出場は、イチロー選手以来2人目。投打で全米から注目を集める大谷選手にまつわる数字を、経済の視点から各所の発表を基にまとめた。
まずは経済効果だ。大谷選手は昨季、イチロー選手(当時マリナーズ)以来、日本人2人目のリーグMVPを「満票」で受賞。文字通り“満場一致”という結果になった。その経済効果を関西大学の宮本勝浩名誉教授(専門は理論経済学)が試算したところ、MVPを受賞した21年11月からの1年間で251億9247万円の効果があることが分かった。
経済効果は、グッズなどファンの直接的消費を指す「直接効果」、グッズ製造元にもたらす「一次波及効果」、関連企業がグッズ販売で得た収益を消費に回す「二次波及効果」を合計し、算出する。
宮本教授は、それぞれの項目について日米両国に分けて算出した。中でも最も金額が大きかったのは直接効果だ。大谷選手が昨季同様の活躍を今季も継続した場合、観客動員数がホームゲーム1試合で4000人、ビジターでも同3000人増加すると仮定。そこに平均チケット相場や球場内での平均消費額を加えた結果、観客数が計56万7000人増加し、観客による消費額は37億9408万円に及ぶと算出した。
MLBの放映権や広告料、スポンサー契約料の動向なども加味すると、米国内の直接効果だけで約80億6318万円の効果があり、一次波及効果や二次波及効果などを含めると米国では約174億1647万円の経済効果がある計算になるという。
日本でも米国同様に試算した結果、77億7600万円の経済効果があると判明。日米両国で約252億円の経済効果があると結論付けた。宮本教授は「一人のスポーツ選手がもたらす経済効果としては空前絶後の金額だ」としている。
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