同社はハウスクリーニング事業を1997年にスタートしている。HITOWAライフパートナーとして防疫対策、ビジネスの両面でポジティブな状況であることは間違いないだろう。
「2020年4月は、皆さんどうしていいのか分からないということで業績が落ち込みました。その後5月に少し戻り、6月から前年同月比を上回る数値になりました。自宅での滞在時間が伸びたことによって、家で気になる部分が増えたため、依頼が増えました」
今後、ハウスクリーニングに伸びる余地はあるのだろうか。
「在宅率は下がると思いますが、『家に帰ったらどう過ごそうか』とライフスタイルを考えることは、生活の一部になっています。エアコンだけではなく、家にあるいろいろなものをきれいにしようと思うようになりました。手洗いもそうです。以前は子どもに『手を洗いなさい』と注意していたのが、今では手を洗わないほうが少ないかもしれません。衛生観念が変わったと思います。ハウスクリーニングは必要なサービスになっていくと考えています」
さらに売り上げ目標を達成できるのかどうか。その勝算を聞いた。
「6.6%しか利用していない現実があるので、このハードルを越えるためのチャレンジは重要だと思っています」と話す。当面は利用率15%ほどを目標にしている。
「10人のうち7人も8人も利用するかと言われれば、それはオーバーだとは感じています。状況を見ながらしっかりとビジネスをしていきたいです」
筆者はエアコンの水漏れが発生したため業者を利用したことがある。その時、業者から「半年から1年に1回は掃除をした方がいい」といわれた。私のような悲惨な状況ではなくとも、定期的な掃除をしてもらいたい需要がおそうじ本舗にあるのか。それは安定した収益源になるはずだ。
「昔はエアコンが汚れて、どうしようもなくなってから『エアコン掃除をしましょう』という感じでした。だから掃除は大変でしたし、故障の原因にもなりかねませんでした。一方、水が漏れだす前に掃除をする『予防クリーニング』のほうが、きれいさを維持しやすいですし、長持ちもさせやすいのです。昔は夏と冬しか利用しませんでしたが、今は湿気とりなどで1年中使っています。1年に1回でもいいので、使用頻度に応じて利用してもらうように訴求していきたいですね」
ハウスクリーニングを標ぼうしている以上、エアコン掃除の先に、家全体の掃除も視野に入れているのだろう。
「その通りです。私も現場の人間でしたが、お客さまは『どんな人が来るんだ?』と緊張していましたし、私もどんなお客さまなのかと緊張していました。家に入ること自体にハードルがあるビジネスなのです。そして2〜3時間、一緒に過ごすわけですからストレスが溜まります。一方、お客さまと適切なコミュニケーションをとって安心していただけたら次につながります」
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