――今年の販売状況はどうでしょうか?
VIPは順調なのですが、それ以外の券種は、コロナ前には戻っていない印象ですね。やはり、まだコロナ禍でライブやフェスへの参加に抵抗を感じる人が多いのだと思います。
コロナ禍でのさまざまな制限が撤廃されてはきていますが、まだ人が集まるところへ足を運ぶことに賛否があるのだと思います。肌感覚ではありますが、コロナ禍前の50%程度かなと。
TwitterなどSNSの書き込みをみると、50%まではネガティブに捉えてはいないものの、自身がコロナになったらいけない、そうであればギリギリまでチケットは買わない方がいい、などという声もありました。
あとは、この3年の間に生活様式が変わってしまったことも要因に感じています。飲食業界もそうかも知れませんが、皆の生活習慣が変わったことによって以前の普通が普通でなくなってしまっているというか……。いずれにしても、いろいろなことが影響していると思います。
――購入者がコロナに感染した場合、払い戻しなどの対応をしているのですか?
残念ながら対応していません。そのようなこともあり、チケット購入に影響しているのかもしれません。また、ファンの方は自身が見たいアイドルが感染によって出演できなくなる可能性もあると考えていると思います。
これはフェスだけではなく、舞台なども含め、実際にキャストが感染し、出演できない、内容が変更になる事態も多々あります。このような複数要因を鑑みて、買い控えをしているのかもしれません。
――そのような予測できない要素もありますから、主催者としては相当にやりにくいのでは?
今年のチケット販売は6月からでした。他のイベントに比べかなり早い方です。ただ、コロナ前は通常、半年前となる3月から販売していました。
告知自体は早い方が良いかもしれませんが、実際にチケットを買うという購買行動は以前より直前になっています。消費者の動きが、かなり変わりました。
お客さん自身もどうなるか分からない、アーティストもどうなるか分からない。そして主催者側もこれらの状況から収支予測が極めて立てにくく、相当にやりにくい状況です。
形として22年は、3年ぶりに以前の内容に戻すことになっていますが、これは外側の話で、実際には中身は全く戻っているとはいえません。昨年も一昨年も、感染対策を十分にした上で、手探り状態での開催でした。今年も実際には手探りでという状況です。そんな3年が経過している感じです。
――@JAM EXPOは毎年8月に開催しています。この時期は感染者数が増える傾向にありますが、開催時期をずらすことを検討しませんでしたか?
コロナ禍であるから時期をずらすという選択はなく、8月に開催するのが@JAM EXPOだと考えています。
アイドルにとって、夏は特別な季節なんです。高校球児でいう甲子園のような位置付けだと思っています。アイドルにとっては、夏が目標にする最も重要な季節なのです。そのためにも、そこはずらしたくないと考えています。
先日開催されたTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)もオリンピックの関係で2年間は開催時期を変えていましたが、3年ぶりに夏に戻ってきました。TIFは8月の第1週目、@JAM EXPOは最終週というお客さんと出演者への認知は変えたくないと思っています。
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