Peppolの仕組みは電子メールによく例えられる。Outlookなどメールソフトにはいろいろな種類があるが、メールを送信する際には送信サーバ(SMTP)に接続し、インターネットを介して受信サーバ(POP3/IMAP)に送られる。受取側のメールソフトは受信サーバに接続してメールを受け取る仕組みだ。この仕組みによりどんなメールソフト同士であっても、送受信が可能になっている。
PeppolではXMLを使いフォーマットを規定すると共に、メールでいう送信サーバ、受信サーバに当たるものも規定した。それがアクセスポイントだ。インボイスの送信元ソフトをC1、送信アクセスポイントをC2、受信アクセスポイントをC3、受信先ソフトをC4と、それぞれ呼ぶ。Cはコーナーの略で、これは4コーナーモデルと呼ばれている。
4コーナーモデル(デジタル庁)。正確には国内のデジタルインボイス標準仕様は、Peppolをベースとした「JP PINT」として仕様がまとめられている。デジタル庁は、国際的な非営利組織「OpenPeppol」の正式メンバーとなり、日本の管理局として活動している。これがアクセスポイントにおいてデジタル庁の認定が必要な理由だほとんどのインボイス関連SaaS提供ベンダーは、C1/C4としてPeppol対応を行う。ところがマネーフォワードはC1〜C4まですべて自前でそろえることを選んだ。「アクセスプロバイダは、直接売り上げが立つようなものではないが、請求のデジタル化は、日本全体の生産性向上のために取り組まなければいけない課題だ」と山田氏。
C2、C3は、Peppolを使ってインボイスを送受信したいSaaSに提供するものであるため、ビジネスとしてはトランザクションあたり数円といった料金構造になりがちだ。C2、C3サービスは、C1、C4のベンダーがまとめて提供したほうが、安価で使い勝手がよいものになりやすい。これが、山田氏が「アクセスポイントを競合を含めて多くのベンダーに提供していく」と話す背景にある。
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