半年前の2月、米エヌビディアはソフトバンクグループが保有する英半導体設計会社のアーム社買収を断念した。エヌビディアは、PC用3Dグラフィックス(画像や動画など)処理などで利用されるグラフィックス プロセッシング ユニット(GPU)を主要商品とする半導体企業だ。もともとは、ゲーム事業が主であったが、仮想通貨の採掘(マイニング)向けがここ数年躍進していた。GPUを演算加速に応用したデータセンター(DC)向け半導体が現在の柱だ。
このエヌビディアの成長に足踏みが見える。8月24日(米国現地)に発表した2022年5−7月決算(23年1月期)によると、好調なDC向け半導体が前年同期比61%増という成果にもかかわらず、売上高は67億400万ドル(前年同期比3%増)、純利益は6億5600万ドル(同72%減)と振るわなかった。主力のゲーム関連に使うGPUの販売が落ち込んだ。
エヌビディアは、次の8-10月期(3Q)の会社計画売上高の見通しを下方修正した。レンジ想定だが、中央値は前年同期比で17%減収を見込む。エヌビディアだけでなく、世界の半導体企業は先行きの半導体市場に慎重な見方を出している。特に、記憶用半導体(メモリー)といった市場規模の大きい分野などの成長鈍化を予想する。
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